収益不動産・投資用不動産

「収益不動産」「投資用不動産」とは、家賃収入を得るために購入する不動産のことです。株式投資がハイリスクハイリターンであるのに対して、不動産投資は景気の影響を受けにくいことから、ローリスクミドルリターンな投資といわれています。
月々安定した収入が得られますから、老後の収入源としてはもちろん、「贈与税 」や「相続税」などの節税効果もあり、近年注目されている投資方法のひとつです。


良い収益不動産・投資用不動産を見つける3つのポイント

マンション経営やアパートの運用といった収益不動産・投資用不動産を選ぶポイントは、以下の3つが挙げられます。


1. 利回り
不動産投資における利回りとは、1年間に得られる「家賃収入を不動産価格で割ったもの」です。一般的に都心部は不動産価格が高くなるため利回りが低く、地方に行くほど不動産価格が安くなるので利回りが高くなる傾向があります。
利回りを見るときに注意したいのは「満室賃料」です。満室になった場合の家賃収入だけを見て物件を検討すると、賃貸需要が少なく満室になる可能性の低いエリアの物件を購入してしまい、入居者がなかなか集まらずに利回りが低くなる可能性もあります。必ず、満室賃料から空室による損失や運営に関する諸費用を引いた「NOI(営業純利益) 」を予測し、検討するようにしましょう。


2. 立地
不動産投資において、立地は非常に重要です。「駅から徒歩圏内」「近くにスーパーやコンビニがある」「治安が良い」など、生活利便性の高い土地は空室率 が低くなる傾向があります。また、駅から多少離れている物件でも、公園などの公共施設が近い場合は、ファミリー需要が見込めます。図面だけで判断するのではなく、地図を確認し、実際に周辺を歩くなど、環境面も同時にチェックするようにしましょう。


3. 将来性
「再開発地域」「交通関連の整備」「大学や企業の移転先」など、プラスとなる大きな環境変化が控えているエリアは、将来的に賃貸需要が高まる可能性があります。家賃収入の増加はもちろん、売却による収益も期待できますので「出口戦略 」も容易です。その分、入念なリサーチが必要になりますが、読みが正しければ大きなリターンを得られる可能性が高まります。


ここで挙げたのはあくまで一例です。収益不動産や投資用不動産を購入する際は、多角的な視点から物件を調査する必要があります。不動産投資を成功させるためにも、専門知識に長けた、心から信頼できるパートナーを探すことが大切です。

「あえて賃貸」のライフスタイルが普及しつつある

昭和の日本は、国策として新築の一軒家を建てることを推奨していたため、国家予算も大盤振る舞い、税制面でも優遇されてきました。不動産会社でも、新築物件のセクションこそが花形であり、中古や賃貸、リフォームの部門は地味なイメージを持たれていました。国民のあいだでも「マイホーム信仰」が根強く広がっていて、賃貸に住む人は「家を買えない、経済的に余裕のない人」というレッテルを貼られがちでした。


しかし、その国策が良くも悪くも浸透しすぎて、不動産が余っている現状があります。さらに、新築の家を買える経済状況の家庭でも、「あえて」賃貸物件を選ぶケースが増えてきました。賃貸であれば、家族や環境の変化、仕事の状況に合わせて好きな街に移り住めますが、住居を購入した場合はそう簡単にはいきません。つまり、その時々の状況に適した住まいを「フレキシブルに選択できるメリット」を、賃貸物件に求める人が増えているのです。


この状況を不動産投資家の視点でとらえると、まず、条件の良い投資用物件を安く確保できるメリットがあります。また、賃貸への入居希望者が増えることで、購入した物件の入居率 が高くなる可能性もあります。つまり、現在の状況は、収益不動産や投資不動産の購入に適しているのです。

不動産投資といえば、中古物件?それとも新築?

収益不動産や投資不動産は、「中古物件」を選択するのが一般的です。新築物件と比較すると価格が安く、リフォームやリノベーション の費用をのせてもリーズナブルなことが人気の理由でしょう。その一方で、中古物件は耐用年数 の関係もあって、金融機関からの融資が比較的出にくいという弱点があります。


また、新築物件は初期投資こそ割高ですが、しばらくのあいだは修繕費用を考慮に入れずに済みますし、減価償却期間を相対的に長くとることができるため、長い目で見れば経済面でも大きなメリットがあります。また、建物の形状やデザインについては圧倒的な自由度があり、最新のトレンドや人気の設備を取り入れることも容易です。もちろん、中古物件のリノベーションでもこれらの問題は解決できますが、その自由度に限界があることは否めません。


このように、中古にも新築にも長所と短所があります。「不動産投資といえば中古物件」という先入観は一度捨てて、新築物件を選択肢に入れることで、より充実した不動産投資ライフを送ることができるでしょう。

思い込みに惑わされないように

「タワーマンションなら自慢できる」「ここは好きな街だから」「海外不動産がいい」などといった、自分の好みで投資用不動産を選ぶ人も少なくありません。しかし、忘れてはならないのは、「投資用物件は、あなたが住む物件ではない」ということです。投資を成功させる上で最も重要なことは、主観的な思い込みではなく「客観的なデータ」です。


ある中古物件が相場より安いとき、「掘り出し物を見つけた」と喜ぶ人と、「いわく付きかもしれない」と警戒する人がいます。前者は少ない投資で大きなリターンを得られるかもしれませんが、もし問題のある物件だった場合は損失を被る可能性を否定できません。物件に起因するトラブルを起こさず、長く安定した収益を上げていくためには、物件選びには一切の妥協を許さず、「なぜ相場よりも安いのか?」と検証する姿勢が必要です。


また、地震や水害、台風などの自然災害で、深刻な被害が及ぶ地域については、さまざまなシミュレーション結果を反映させたハザードマップが公開されています。犯罪の発生率、人口動態などについても、行政や公的機関などが公表しています。アクセス可能なデータにはなるべく触れて、事前に避けられるリスクを回避し、より良い投資用不動産・収益不動産を見つけてください。