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GLOSSARY
不動産用語集
わ行
英数
事業所得

所得税法によると、所得は利子所得、配当所得、不動産所得 、事業所得、給与所得、退職所得、山林所得、譲渡所得 、一時所得、雑所得の10種類に区分されています。原則として不動産の貸し付けによって生じた所得は「不動産所得」になるのですが、不動産にまつわる収入の中でも、場合によっては事業所得に分類されるものがあります。


課税所得の区分のひとつである事業所得とは、所得税法第27条において「農業、漁業、製造業、卸売業、小売業、サービス業その他の事業で政令で定めるものから生ずる所得(山林所得又は譲渡所得に該当するものを除く。)をいう」と定められている所得です。


不動産所得ではなく事業所得として申告するもの

不動産投資家がみずから確定申告 をする場合、以下のような所得については不動産所得ではなく、事業所得(規模によっては雑所得)として申告する必要があります。


■保管責任を負う有料駐車場・駐輪場の所得
月極駐車場のように駐車スペースを提供するだけで、管理を持ち主に任せている場合は不動産所得となります。ただし、管理人を置いたり、フェンスや塀などで囲んだり、不特定多数の駐車を規制している場合など、保管責任を負う有料駐車場・駐輪場は事業所得(または雑所得)となります。


■食事を提供する下宿などの所得
下宿のように食事を提供する場合、その所得は事業所得(または雑所得)となります。ポイントは「食事の有無」です。下宿であっても部屋の貸し付けのみを行っており、食事を供さない場合は不動産所得となります。


■サービスを主体とした旅館やホテルなどの所得
旅館やホテルなど、人的役務の提供事業による所得は事業所得となります。賃貸と宿泊施設の中間的な性質を持つ「ウィークリーマンション」や「マンスリーマンション」については法的な定義がないのであいまいですが、事業所得に計上するのが一般的です。


■従業員から受け取る賃貸料
社宅や寮、寄宿舎など、従業員に対して部屋を貸し付けている場合は、そのほとんどが福利厚生としての側面が強い傾向があります。このような収入は不動産所得ではなく、事業所得として申告します。


■簡易な施設の貸し付けによる所得
観光地や海水浴場等におけるバンガローなど、シーズンに合わせて解体・移設・格納することができる簡易的な施設の貸し付けによる所得は事業所得(または雑所得)になります。


このように不動産に関係する収入であっても、一部は事業所得(または雑所得)となります。すべてが不動産所得として申告できるわけではないので注意してください。


事業所得か雑所得になるかの違い

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同じタイプの収入でも、事業所得ではなく雑所得となる可能性があります。その判断基準は「事業的規模であるかどうか」です。
事業的規模とは、社会通念上事業といえる程度の規模で経営されている状態のことです。実際に事業として行っているかどうかは関係ありません。絶対的な判断基準も特にないのですが、不動産貸し付けにおける事業的規模としては、以下のような基準が挙げられます。


  • (1)貸間、アパート等については、貸与することのできる独立した室数がおおむね10室以上であること
  • (2)独立家屋の貸し付けについては、おおむね5棟以上であること

このいずれかの条件に当てはまっている場合は、原則として事業的規模と取り扱われます。事業所得と雑所得のどちらがお得になるかという問題ですが、基本的には「事業所得のほうがお得」です。


例えば事業所得の場合は、一定の要件のもと青色申告特別控除(通常10万円または65万円)が受けられますが、雑所得では青色申告をすることができません。また、事業的規模の場合、賃貸用固定資産の取り壊し、除却などの資産損失は、その全額を必要経費に算入できます。つまり、「事業的規模」に達しているかどうかで所得税額には大きな違いが発生する可能性があるのです。


さらに、不動産貸し付けの規模が事業的規模に達しているとみなされると、専従者(個人事業主と生計を同じくしている配偶者や親族のうち、事業に従事している人)に対して給与を支払うことが認められ、この給与も必要経費として控除が受けられます(ただし、配偶者を専従者とした場合、配偶者控除は受けられなくなりますから注意が必要です)。


このように事業的規模に該当した場合はさまざまなメリットがあります。ただし、「個人事業税がかかる」という点について注意しなければなりません。とはいえ、個人事業税においては青色申告特別控除が適用されない代わり、290万円の事業主控除を受けられるなどの特典があるため、やはり税制上は事業所得のほうが有利です。致命的なデメリットというわけではありませんが、税金が課せられるということを頭の片隅に留めておいてください。


不動産事業における事業所得

不動産事業による所得は、「土地や建物の貸付け」だけでなく「地上権など不動産の上に存在する権利の設定及び貸付け」や「船舶や航空機の貸付け」も含んでいます。


また、土地や建物の貸付事業に限っても、その収入は「地代・家賃」としての賃料収入に限らず、「敷金・保証金」「更新料・名義書換料・承諾料・頭金」「共益費」として受け取った金額も含まれることになります。
なお、契約や商慣習で支払日が規定されているときは、その日を収入計上時期としますが、支払日が定められていないときは実際に支払いを受けた日を収入計上時期とするのが原則です。ただし、賃貸人から請求があったときに支払うべき性質のものとされている場合は、例外として請求日を収入計上時期とします。


一方で、不動産事業の必要経費は、不動産収入を得るために直接必要な費用のうち、家事上の経費と明確に区分できるもので、「固定資産税」「損害保険料」「減価償却費」「修繕費」を含みます。


なお、一般的な事業で、売掛金債権が回収不能(貸倒損失)になった場合、その債権を収入として計上した年分にさかのぼり、その回収不能の分に対応する所得がなかったものとして扱った上で、所得計算を再度やり直します。不動産賃貸業で賃料債権が回収不能の事態が生じた場合は、回収不能となった年分の必要経費に算入します。

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