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賃貸併用住宅

chintaiheiyo.jpg 「賃貸併用住宅」とは、建てたオーナーの居住空間だけでなく、ほかの人に賃貸する部屋も併設している住宅のことをいいます。



賃貸併用住宅のメリット

賃貸併用住宅の一番のメリットは、「自宅から家賃という定期収入を得られる」ことです。ローンを組んで建てた賃貸併用住宅であれば、毎月の家賃収入をローン返済に回すことができるのは大きいでしょう。ローンの返済を終えれば、家賃収入はそのまま毎月の安定収入となりますので、収入面に不安を抱える老後も安心です。

また、賃貸併用住宅を建てたり、購入したりする際は、住宅ローンを申し込める場合があることも長所でしょう。一般的には、「登記簿面積に記載された床面積が50平方メートル以上」「自宅部分が床面積全体の半分以上」「住宅ローンの借入期間が10年以上」「新築日(購入日)から6ヵ月以内に入居し、その年の12月31日まで居住する」などの条件をクリアすれば、賃貸併用住宅の建築費用全額について住宅ローンが使える場合が多くなります。
豊かな家賃収入と住宅ローン負担の軽減は、トレードオフの関係にあるといえるかもしれません。

住宅ローンは、事業用アパートローンなど、ほかの不動産系ローンよりも低金利の傾向があり、頭金なしでフルローンを組むことも可能です。住宅を不動産投資に活用できるのであれば、良い条件で始められるということになります。また、返済期間も事業用のローンより長く、月々の返済負担を抑えられる点もポイントです。

融資条件もほかの不動産ローンに比べればそれほどきびしくなく、一般的には「勤続年数が1年以上の正社員(転職直前や直後でも融資可能とする金融機関もあります)」「300万円以上の年収」「団体信用生命保険に加入できるだけの健康状態」を満たしていれば、融資実行の判断が下りるでしょう。年収が概ね700万円以上で、勤務先の属性も上場企業などのきびしい条件が求められるアパートローンと比較しても、越えるべきハードルが低いのです。
さらに、毎年の確定申告で、住宅ローン残高の額に応じて「住宅ローン控除」を受けることができる利点もあります。初期的な建築費や毎月の返済負担が多少かさむとしても、会社員がマイホームの夢と副業収入のメリットを兼ねて賃貸併用住宅を建てるのは、悪くない選択といえるでしょう。

賃貸併用住宅の注意点

「自宅を建てて家賃収入を住宅ローン返済に回せる」「返済後は家賃が安定収入となり、老後も安心だ」とすれば、とても魅力的な賃貸併用住宅ですが、不動産賃貸はビジネスにほかなりませんので、自動的に家賃収入が入ってくるわけではありません。まずは、賃借の需要が高い地域を見つけて建築または購入し、集客の努力を重ねる必要があります。この2点を軽視すると、空き室が増えて想定していた家賃収入が得られず、ローン返済に窮するおそれがあります。
このデメリットを解決する手段としては「サブリース」があります。賃貸管理業務のすべてを専門の不動産業者に委託し、さらに、空室が出た場合に生じる家賃収入の損失を埋め合わせる「家賃保証」も行われます。なお、サブリースでは家賃の10~15%の手数料負担が一般的ですが、それと引き換えに安定収入を得ることができるのですから、魅力的な選択肢のひとつといえるでしょう。

また、建物のオーナーである大家と賃借人が普段から顔を合わせる賃貸併用住宅では、人間関係のリスクが生じるおそれもあります。そのような心配を避けたいときは、賃貸管理業務の全部または一部を専門の不動産業者に委託すると良いでしょう。

なお、一般的な住宅と比べると賃貸併用住宅は買い手が少ないという特徴があります。売却時は相場よりも安くなる可能性があることを覚悟しておかなければなりません。

相続税対策になりづらくなっている賃貸併用住宅

相続の対象となる遺産の中に、330平方メートル以下の宅地がある場合は「小規模宅地評価減の特例」の対象となり、相続税の算定基礎となる評価額を50~80%減額することができます。これは、相続税が高くなりすぎて、納税のために自宅を売却せざるをえない状況を回避し、残された家族の生活の本拠を保護するための制度です。
賃貸併用住宅は、賃貸事業として用いている敷地部分も「宅地」としてカウントされていました。このため、継続的な家賃収入と小規模宅地評価減を両方享受でき、相続人にとっては「相続対策の優等生」ともてはやされた時期もありました。
しかし、2010年以降、小規模宅地評価減の適用条件が厳格化されました。小規模宅地評価減特例を適用できる敷地面積は、「居住用敷地を除いて200平方メートルが上限」とされた上、居住部分の敷地面積分のみが80%減額の対象になり、賃貸部分の敷地面積分については50%減額となっています。このため、居住部分よりも賃貸部分のほうが大幅に広い賃貸併用住宅の場合、相続税対策としてかつてほどのインパクトはなくなっています。

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