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GLOSSARY
不動産用語集
色事業専従者

「アパートローン」とは、アパートやマンションなどの賃貸用不動産の建築・購入などの資金使途を対象とする金融商品で、「不動産投資ローン」「マンションローン」ともいいます。アパートローンの特徴としては、「資金使途が限定されていること」「住宅ローンよりも融資限度が高いこと」「事業性の融資であること」などが挙げられます。


アパートローンの魅力

投資といえば、株式やFXといった金融商品で資産を増やす方法もありますが、株式投資などを目的にしてローンを組むことはできませんので、ある程度の自己資金がなければ、大きく増やすことはできません。

その点、不動産投資の場合は、アパートローンを用いることで、少額の自己資金を頭金にして億単位のアパートを取得するための融資を受けることができ、大幅な「レバレッジ(他人の資本を使うことで、自己資本に対する利益率を高めること)」を利かせることができるのは大きな魅力といえるでしょう。金融機関の力を借りて、アパート購入費用を稼ぐ期間を一気に短縮し、すぐに不動産投資に着手できるのです。

一般的な事業性融資の申込みであれば、過去2~3期分の決算書を金融機関が審査するなど、今までどのようにビジネスを動かしてきたかという実績が重視されます。しかし、アパートローンを申し込むにあたっては、過去に不動産投資の経験がある必要はありません。たとえ初めてのチャレンジであっても、それだけで問題視されることは少ないのです。どれほどやる気のある姿勢を見せ、不動産経営のノウハウを真剣に学んでいるか。そして、取得するアパートやマンションを経営して、しっかりと収益を上げられる見込みがあるかが問われます。

アパートローンのデメリット

アパートローンは、事業性資金の融資であり、審査がきびしいことが特徴です。審査のきびしさをデメリットと呼ぶことについては意見が分かれるところですが、「そう簡単に融資が下りるものではない」と覚悟して準備する必要があります。
審査に際しては、不動産投資の事業計画にどれほど現実味があり、どう集客して、どのように収益を維持していくのかといったことについて、多方面から問われると考えてください。

もっとも不動産経営は、事業であると同時に資産形成の側面もあるため、資産状況のほか、年収とローン申込額とのバランスがとれているかどうかも審査されます。どんなに不動産事業計画がユニークで将来性があっても、個人がいきなり億単位の融資を引き出すことは困難です。
また、過去3期分の源泉徴収票の提出を求める金融機関も多いです。これは、不動産投資以外の本業収入が安定しているかどうかを見るためで、もし年収が高くても、賞与や残業代の割合が高ければ、将来の年収が下がりうる不安要素と判断されてしまいます。一方、安定した高収入を確保していたり、多額の資産を保有していたりする方は、あっけなく審査が通ることもあります。

また、アパートローンで建てた物件に、投資家自身は住むことができません。居住用ではなく投資用の物件を建てるための融資ですので、居住するスペースがあるくらいなら、ほかに貸し出して収益性を上げるべきだという考えのためです。自身や家族の居住用建物を取得するためには、アパートローンではなく、住宅ローンを組む必要があります。

住宅ローンとの違い

住宅ローンもアパートローンも、不動産を対象にした融資であるという点では同じですが、両者には以下のような違いがあります。それぞれの違いを見てみましょう。

(1)資金用途が異なる
住宅ローンは自分や家族が住むための居住用の住宅を対象としている一方、アパートローンは投資用不動産に対して融資が受けられるプランとなっています。
アパートローンの具体的な用途としては、例えばみずほ銀行の場合、賃貸用住宅の土地・建物の取得資金、増改築・改装資金、底地買取資金及び外構工事資金、火災保険料、担保関連費用、設計料、解体工事費用、近隣対策費、印紙税、仲介手数料、付帯工事費用、水道加入金と、その融資対象は多岐にわたっています。ただし、金融機関によっては、土地の購入は対象外というところもありますので注意しましょう。
また、ほかの金融機関で借り入れをしたアパートローンの借換え資金も、資金使途に含まれるのが一般的ですが、同じ銀行内での借換えには対応していないことが多いようです。

(2)借入金額の上限が異なる
住宅ローンの借入限度は、年収のおよそ6~7倍に設定している金融機関が多いようです。年収1,000万円の所得者なら、7,000万円を借りられれば大成功といえるでしょう。一軒家や区分マンションを購入するには十分な金額ですが、一棟マンションを購入するには心許ない資金といえます。
しかし、アパートローンの場合は収入のほか、事業性によっても借入金の限度額が変わってきます。本人の年収額が平均的であっても、投資物件の収益性が高いと認められれば、1億円以上の融資を受けることも可能です。不動産経営の実績があれば、融資限度額はさらに上がります。投資サイクルを早めたい方に最適なプランといえるでしょう。

(3)金利が異なる
返済の期間や方法によっても異なりますが、住宅ローンの金利はおおむね1~2%程度に設定されています。一方のアパートローンは、やや高めの2~4%となっているようです。金利負担を考えると、住宅ローンで投資用物件を購入したほうが得と思われるかもしれません。しかし、前述したように住宅ローンは自宅を対象にしたプランであるため、投資用住宅は対象外となっています。

審査で重視される要素

一般的な住宅ローンでは、個人の返済能力に重点を置いて審査が行われます。年収や勤務年数、勤務先の安定性などに対する信用調査が中心で、事業性はほとんど問われません。つまり、本人の返済能力が十分あれば審査は通ります。また、不動産を担保にする場合も、担保を売却した際の代金で十分な弁済が可能かどうかを評価します(これらの査定を「返済財源査定」といいます)。
これに対し、アパートローンは事業性を重視します。具体的には、金融機関は購入対象となる物件の収益性に着目し、「当該物件から長期的に安定した収益が得られ、ローン返済が十分に可能であるかどうか」という、物件からの家賃収入を財源とする返済財源査定を行います。

金融機関がアパートローンの審査で特に重視するのが「事業計画」です。
投資家は事業計画書において、下記のような要素が問題ないことをアピールし、長期にわたって安定して経営できることを証明する必要があります。

・市場ニーズを正しく把握しているか
・入居者を安定的に確保する手段があるか
・修繕計画は的確か
・管理体制や費用は適切か

投資対象となる物件や周辺環境の綿密な調査を行い、その結果に投資家の知識や経験を盛り込み、融資を引き出す事業計画を立てましょう。不動産購入に十分な事業性が認められない場合は、個人的な属性がどれほど優良であっても融資が見送られる場合があります。

もちろん、契約者の信用調査や不動産の担保価値も評価されますが、契約者個人の属性だけでなく、事業性によっても融資の可否、あるいは融資可能額の上限が異なってくる点がアパートローンの最大の特徴といえます。

アパートローンの金利方式

アパートローンの金利方式には、変動金利や固定金利(固定金利選択方式/全期間固定金利方式)があります。変動金利は短期プライムレートの変更に連動した融資利率が適用され、固定金利は3年・5年・10年など、固定金利期間を選択できるようになっています。また、全期間固定金利方式では、ローン完済まで契約時の固定金利が適用されます。
長期的な資金計画を立てる上では、固定金利には「金利の変動リスクがない」という魅力がありますが、低金利が長期的に継続した場合、変動金利方式よりも支払総額が多くなる可能性も考えられるでしょう。

投資用物件を購入するならアパートローン

アパートローンは住宅ローンと比べて金利が高いため、組むことを悩んでしまう人も少なくありません。確かに不動産投資において金利は重要なポイントです。借入金が大きければ、たった1%の違いであっても、最終的な支払額は大きく変わってきます。この金利差を考慮した不動産投資家が、低金利の住宅ローンで投資用物件を購入する方法を模索するケースも増えているようです。
住宅ローンは自宅用物件を対象にした融資ですが、実際は転勤などをきっかけに自宅を賃貸として貸し出す人も多く、後日、ほかの人に貸していることが発覚したとしても、途中でローン契約が解除されることはほとんどありません。また、金融機関の中には、投資用と知りつつも、お金を貸したいあまりに住宅ローンの審査を通すところもあります。
住宅ローンで投資用物件を購入できる事実はありますが、契約違反であることも確かです。不動産を投資目的で購入したことが発覚した場合、金融機関によってはアパートローンへの切り替えを要求されたり、一括返済を求められたりする可能性がある点には注意しましょう。

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