JR山手線は、元々東北本線と東海道本線を連絡するための線路として誕生しました。1909年に「山手線」という路線名となり、烏森(現新橋)から品川を通って池袋、田端、上野を結ぶ「C」の字運転の期間を経て、1925年から現在の環状運転となりました。全長は34.5km、1周およそ1時間で29の駅を結んでいます。
東京、新宿、品川など、名だたるターミナル駅が並ぶ一方で、2016年のリクルート住まいカンパニー調べ 「住みたい町ランキング」では長年トップの吉祥寺を抑えて1位になった恵比寿、マンション開発が続く大崎や駅前の再開発が進み住宅地としても注目される目黒や池袋など、一くくりにはできない駅のラインナップが山手線の特徴です。
駅ごとに町のカラーも大きく違い、緑が多く高級感と洗練された雰囲気が人気の恵比寿、「kawaii」カルチャーの発信地でありセンスのよい商業地帯として知られる原宿、アジア・イスラム文化が混ざり合う新大久保、ターミナル駅であると共に文化・芸術施設が多く集まる上野など、個性的な街が揃っています。
交通の便利さは言わずもがなで、ほとんどの駅で東京メトロや私鉄各線と接続しています。 丸の内や大手町、神谷町、虎ノ門、新宿、渋谷、品川などオフィス街へも簡単にアクセスできる魅力から、東京の中でも根強い人気があり、安心できる投資先との評価が高い路線です。
山手線沿線の不動産投資市況を見るにあたり、絶対に無視できないのが2020年開催の東京オリンピックの存在でしょう。中でもひときわ大きな存在感を放っているのが、田町~品川駅間に作られる新駅とその周辺13haの広大な敷地に新しい街を作るプロジェクトです。
現在の京浜急行電鉄泉岳寺駅の東側に縦長に広がる、京浜急行線とJR線に挟まれた土地がその予定地となっており、マンションやオフィス、商業施設などが入る高層ビルの建設が進む予定。新駅と品川駅、泉岳寺駅を歩行者専用デッキで連絡することも検討されています。
新駅は東京オリンピックに合わせて2020年の開業を見込んでいますが、街全体の再開発工事は2027年完成予定です。
東京都が策定した「品川駅・田町駅周辺まちづくりガイドライン2014」には、「海外へのアクセスが良い品川を大手町、丸の内、有楽町に並ぶ拠点に格上げし、日本の成長を牽引する拠点にする」と表記されており、将来的にこのエリア周辺のみならず、品川へのアクセスが良好な京浜東北線沿いや大崎、五反田などの不動産価格にも影響が出る可能性は高そうです。
また渋谷ヒカリエの登場で駅前が大きく様変わりした渋谷も、大規模な再開発が進められている地域です。渋谷駅ビルは2020年に地上46階建て、高さ230mの高層ビル(東棟)に生まれ変わり、2027年には続いて中央棟、西棟が登場予定です。
そのほかにも、駅南側にある東横線の旧ホーム・路線跡には2018年完成予定のオフィスや商業施設、ホテル、ホールなどが入る予定の地上34階建て、高さ180mの超高層ビルなどが建設中。
渋谷にダイレクトアクセスできる山手線、東急東横線、東京メトロ半蔵門線などの沿線の資産価値も高まることが考えられます。
2016年のJR山手線の地価平均は、平米単位で平均339万7034円/平方メートル、坪単価では平均1122万9862円/坪となっています。2013年9月に東京オリンピックの開催が決定してから、山手線沿線の地価は全体的に上昇傾向が見られます。
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