武蔵小山駅周辺は、元々は江戸時代から東海道の最初の宿場町・品川宿の近隣の町として賑わいを見せていた地域で、昔ながらの住宅地です。明治時代は竹やぶが多く、タケノコがたくさん取れていたそうで、現在でも商店街では毎年「ムサコたけのこ祭り」というイベントが行われています。
このエリア概況を知る上で絶対外せないポイントは、「駅前商店街」「林試の森公園などの自然環境」「教育施設の充実」の3つです。
まず駅前に広がる商店街「武蔵小山商店街パルム」は日本初のアーケード商店街として知られ、約800mにわたって約250店舗が軒を連ねる賑やかな場所です。スーパーマーケットや惣菜店はもちろん、スーツショップやアパレルショップ、雑貨店なども揃い、渋谷や武蔵小杉まで買いに出なくても必要なものはほぼすべて揃えることができる、活気に満ちた商店街です。
これは仕事で忙しい社会人はもちろん、小さな子どもがいる家族にとっては大きな魅力でしょう。個人商店もあればチェーン店もあり、価格は安めで財布に優しいのもうれしいところです。少し足を延ばせば、関東一長い商店街として知られる「戸越銀座商店街」もあり、都内有数の巨大な商圏の一部ともなっています。新春和太鼓やサンバカーバルなど季節のイベントも盛んです。
駅から徒歩約10分のところに広がる「林試の森公園」は、元林業の試験場だけあって緑が豊かで、ランニングコースやグラウンドがあり散歩にもぴったりな場所です。夏季は子どもたち向けのキャンプ場や噴水広場「ジャブジャブ池」もオープンし、子ども連れで食事を楽しめるレストランもあります。保育園や小学校、中学校にも緑が多く、子どもの増加を受けてその数が増えているのも特徴です。
そんな武蔵小山の物件は1LDK、2DKなどの単身者やカップル向けの物件が豊富で、新しく移転してくる人の年齢は30~40代ごろが多くなっています。ただ昔から住んでいる人も多いため、町全体の人口構成で見ると30~40代に偏っているということはなく、子どもからお年寄りまでほどよく分布しています。そのため、ベッドタウンとは違って街全体に活気があり、お洒落なカフェから数十年の歴史がある安い焼き鳥店まで、町の賑わいに繋がっています。
このような若い世帯の住居需要の高まりを受けて、武蔵小山エリアでは現在、駅前地区の再整備と商店街の連携をめざした「武蔵小山パルム駅前地区第一種市街地再開発事業」が進んでいます。
その第一弾として誕生するのが、駅前広場に隣接する区画にタワーマンションと商業施設、生活支援施設からなる地上40階地下2階の複合商業ビルです。これは2019年4月の完成予定(約640戸)ですが、その隣にも地上41階、地価2階の複合ビルが建設予定で、こちらは2017年度の着工が予定されています(約410戸)。さらに続けて、小山3丁目地区、荏原3―8地区にも複合ビルの建設計画が進行中です。
一方、2駅隣の目黒の駅では、タワーマンション2棟を中心とした自然・商業・住居・オフィスが調和した街作りを目指した再開発が進み、合計920戸の超高層マンション建設を中心とする一連の工事が2018年12月に完了という状況があります。
これら2ヵ所の開発が武蔵小山エリアの不動産市況に影響を与えるのは間違いないところで、再開発によってより多くの注目がこのエリアに集まり、町全体のイメージアップと資産価値上昇に繋がることが期待されます。