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不動産用語集
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袋駅周辺の不動産投資市況

地味で雑然とした副都心から「文化と芸術の都市」へ

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新宿や渋谷と比べて何となく華やかさに欠ける印象が強いため、かつては「地味で雑然とした副都心」といわれていましたが、現在は「文化・芸術都市」へ生まれ変わろうとしています。
その池袋は東口、西口、北・南口の3地区に大別できます。

●東口地区
ここには西武百貨店、パルコ、サンシャインシティ、シアターグリーンなどがあり、都内有数の繁華街を形成しています。グリーン大通りからサンシャインシティに至るサンシャイン60通りには飲食店、映画館、ゲームセンター、風俗店などが密集しています。
サンシャインシティは我が国初の複合施設。同館は屋上展望台を有する地上60階建ての超高層複合オフィスビルの「サンシャイン60」、商業・飲食複合施設の「専門店街アルパ」、「サンシャイン水族館」を有する「ワールドインポートマートビル」、「サンシャイン劇場」を有する「文化会館」の5施設で構成されています。

またシアターグリーンは大・中・小の三つの劇場を併設、同時公演ができる「シアターコンプレックス」で、シネマコンプレックスの劇場版と言える施設です。渋谷ジァン・ジァン、劇団四季の劇場、六本木の俳優座劇場、下北沢の本多劇場などと肩を並べる演劇のメッカとして知られており、若手俳優登竜門の1つともなっています。

●西口地区
ここには東武百貨店、マルイ、メトロポリタンプラザ、東京芸術劇場、立教大学池袋キャンパス、ライブハウスと映画館があるロサ会館、都内に4館しかない常設寄席の1つ「池袋演芸場」などがあり、東口地区と同じ繁華街でありながら、文化・芸術の匂いを漂わせています。

東武百貨店は西口地区の顔とも言える存在で、売り場面積は都内一、食品売り場面積は日本一の百貨店として知られています。館内のレストラン街「SPICE・SPICE2」もテナント数は51店に上り、都内最大の屋内レストラン街を形成しています。
西口五差路南西の角にあるマルイ周辺には複数の大手カフェチェーン店とファミリーレストランチェーンをはじめとする各種飲食店が多く、家族連れも利用しやすい飲食店環境が整っています。

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●北・南口地区
南北に伸びる池袋駅が池袋東西に分断しているため、東口地区や西口地区と比べると賑やかさはやや見劣りします。
「池袋平和通り商店街」を中心とする北口地区は都内有数の歓楽街を成しており、新宿歌舞伎町に似たイメージを醸し出しています。また中華料理店を中心に中華料理食材店、漢方薬局など中華系各種店舗が集まっているため、通称「池袋チャイナタウン」と呼ばれるミニ中華街が形成されているのも特徴といえます。

一方、JR山手線と明治通りに挟まれた南口地区にはジュンク堂書店池袋本店をはじめとした大型書店や古書店が多く、ミニ書店街の雰囲気があり、その南端は目白二丁目の閑静な住宅街に連なっています。

「文化と芸術の都市」を目指す玉突き再開発

池袋が「地味な副都心から華やかな副都心へ」生まれ変わろうとしている背景が、2015年5月の豊島区役所庁舎移転を契機に動き出した大規模な都市再開発計画です。庁舎移転に続き、2015年7月に内閣府から「都市再生緊急整備地域及び特定都市再生緊急整備地域」の指定を受けたことから、池袋の再開発気運が一挙に高まりました。

国土交通省によれば、都市再生緊急整備地域は「都市再生の拠点として、都市開発事業等を通じて緊急かつ重点的に市街地の整備を推進すべき地域として政令で指定する地域」、特定都市再生緊急整備地域は「都市再生緊急整備地域の内から、都市の国際競争力の強化を図る上で特に有効な地域として政令で指定する地域」となっており、池袋の場合は池袋駅周辺地域の約143haが「特定都市再生緊急整備地域」に指定されました。

また内閣府によれば、池袋を指定したのは「都市計画道路の整備や駅施設及び周辺市街地の再編を契機に、駅前広場、東西連絡通路の整備により、回遊性・利便性の高い歩行者中心の街に都市構造を転換すると共に商業・業務・芸術・文化・交流・情報発信などの機能が集積した拠点を形成する」のが目的となっています。
要は豊島区が目指す「文化・芸術を核とした池袋再生計画」といえます。

  豊島区の都市再開発事業関係者によれば、再開発は豊島区の豊島区アメニティ形成審議会が第21回会議(2015年3月開催)で示した「池袋副都心周辺まちづくりの動向」構想に沿って計画策定が進められるようです。
同構想は「現庁舎周辺まちづくり推進事業」、「池袋駅及び駅周辺整備事業」など9件の再開発事業を計画しており、2016年中に旧庁舎跡地の民間活用と旧庁舎周辺の都市再開発を目指した再開発計画が本格化する見込みです。

「豊島区はこの計画を第一弾に、特定都市再生緊急整備地域整備の目的達成に向けた再開発計画を玉突きのように順次本格化する予定」(前出関係者)とのこと。「池袋の玉突き再開発」と呼ばれているゆえんです。
計画第1弾の「旧庁舎跡地の民間活用と旧庁舎周辺の都市再開発」では、公募により東京建物・サンケイビル・鹿島建設グループが提案した「誰もが輝く劇場都市」をテーマにした大規模オフィス、シネマコンプレックス、商業施設などを集めた開発計画を採用すると共に、同グループを開発事業者に決定しています。

計画第1弾の事業は2016年11月に着工、東京オリンピックが開催される2020年春に開発事業完了の予定です。

池袋の文化風土を育んだ「池袋モンパルナス」

豊島区が「文化と芸術で池袋再生」を目指している理由には、意外な背景があります。それは戦前まで「池袋が文化・芸術の一大発信拠点だった」という歴史的事実です。
  大正時代末期から戦前まで、山手通り西側の長崎、南長崎、千早、要町の一帯では、アトリエ付き貸家が集まった「アトリエ村」が各所で形成され、小熊秀雄、熊谷守一、長谷川利行などの著名人をはじめ多くの詩人、小説家、画家、音楽家など多彩なジャンルの芸術家が住み着き、芸術活動の拠点としていました。アトリエ村はパリのセーヌ川左岸のモンパルナスになぞらえられ、「池袋モンパルナス」と呼ばれるほどでした。

この池袋モンパルナスの住民たちがジャンルを超えて交流し、時を忘れて芸術談議にふける場としていたのが、当時の池袋のカフェでした。彼らはこのサロンで互いに刺激し合い、そこから数々の名作が生まれていったのでした。
 
他の街では見られなかったこのジャンル融合の開放的な文化風土が、戦後の池袋を「演劇と映画の街」にしたといわれています。
例えば、池袋は新宿、下北沢、銀座に次いで劇場の数が多い街であり、著名な劇場だけでも東京芸術劇場をはじめ5軒、一般にあまり知られていない劇場を含めると約20軒が存在しているといわれます。

また池袋には1948年に設立された我が国唯一の舞台芸術(演劇、ミュージカル、舞踊)専門学校「舞台芸術学院」があり、多くの舞台俳優やダンサーを輩出しています。
豊島区もこれらの文化資源を活かして池袋の活性化を図ろうと、地元各商店街と共に「池袋ジャズフェスティバル」、「東京フラチェスin池袋」、「池袋演劇祭」などさまざまなイベントを開催、池袋の文化的イメージ向上に努めています。
こうした開放的な文化風土と豊島区の文化資源活用の取り組みが、池袋再生計画の土台になっているようです。

新宿より割安な家賃相場、注目度が低いからこその投資の穴場

池袋再開発計画が始動し、街の新しい未来像が見えてきた影響もあるのか、近年の池袋は他地域からの人口流入増が続いています。
豊島区の『豊島区の人口と世帯』によると、豊島区の人口は2015年1月1日現在約27万6000人で、32年ぶりに1983年の人口水準を回復しました。
また、町丁目別人口の増減では、前年比100人以上増の町丁目13カ所のうち、池袋は6カ所で46.2%を占めています。

交通アクセスが良好で商業施設、公共施設など都市機能が充実し、娯楽施設も豊富な街の特性を考えれば、当然の帰結といえるでしょう。
住宅地としての池袋は、駅周辺の繁華街を住宅街がぐるりと取り囲む構造になっています。明治通り、グリーン大通り、サンシャイン60通り、立教通りなどのメインストリートから裏通りや小路に入ると、そこは喧騒を離れた静かな住宅街のイメージです。
ただし用途地域的には大半が商業地域なので、オフィスビルや商業施設に混じってマンションとアパートが建っているといった感じです。

  不動産投資情報サイト「HOME`S」の調査によれば、賃貸マンションの家賃相場はワンルームマンションが8.2万円、1DKが10.8万円、2DKが11.9万円、2LDKが20.0万円などとなっています。同じ副都心の新宿と比べると相当な割安感があります。
「入居者にとっても投資家にとっても池袋は意外な穴場」(不動産業界関係者)といわれるゆえんです。

  文化の香りが豊かな副都心に発展しようとしている池袋。再開発計画が進むにつれて賃貸マンション需要の増加が予測されている池袋。投資先としての注目度がまだ低い今のうちが、もしかすると池袋投資のチャンスかも知れません。

一方で、積極的な投資には金融機関からいかに好条件の融資を引き出せるかどうかが肝要となってきます。将来を見越して2棟・3棟と前向きに展開されることを検討されている方には、ぜひ弊社の金融評価の鑑定分析をご活用いただくことをお薦めします。
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