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都圏の賃貸物件成約、3カ月連続減となるもシングルは4カ月連続増と好調

シングルタイプの伸びが際立った2016年6月期賃貸住宅市場

アットホームの『首都圏の居住用賃貸物件(6月)』を要約すると、調査結果のハイライトは次の通りです。


【物件成約件数】 ・首都圏全体の物件成約件数は18,109件で前年同月比8.6%減(うちマンションは5.1%減、アパートは13.4%減)。
・地域別では東京23区が8,045件で同10.3%減(うちマンションは7.4%減、アパートは16.5%減)、そのほか東京都下が同0.2%増、神奈川県は同11.5%減、埼玉県は同0.5%増、千葉県は同8.0%減。
・全体的な傾向では、すべての地域で前年同月比減を記録したアパートの不振が目立つ。


【マンションのタイプ別物件成約の前年同月伸び率】 ・首都圏全体のマンションのタイプ別物件成約の前年同月伸び率はシングルタイプ(30平米未満)1.5%増、カップルタイプ(30~50平米)8.6%減、ファミリータイプ(51~70平米)11.3%減、大型ファミリータイプ(71平米以上)12.6%減。
・全体的な傾向では、埼玉県と千葉県を除きシングルタイプの成約数について堅調な伸びが見られる。また、東京都下では全タイプの好調ぶりが目立つ。一方、アパートは全タイプが前年同月比減少だった。


【1戸当たりの平均成約賃料】 ・首都圏全体の賃貸マンション1戸当たり平均成約賃料は8.94万円で、前年同月比0.7%減となり9期連続のマイナス。同じく賃貸アパートの1戸当たり平均成約賃料は6.28万円で、同1.3%減となり3期連続のマイナス。
・全体的な傾向では、家賃が低めのシングルタイプ物件の成約件数が伸びていることにより、平均成約賃料においては金額上昇の抑制要因になった模様。


賃料インデックスでも東京23区のシングルは上昇傾向

一方、三井トラスト基礎研究所の「マンション賃料インデックス(2016年第1四半期)」によると、駅から徒歩6分、築年数10年の中古賃貸マンションをモデル物件とした首都圏(東京23区、東京都下、横浜・川崎市、埼玉県東南部、千葉県西部)の賃貸マンション賃料はタイプ別に次のような傾向を示しています。


シングルタイプ(住戸面積18~30平米未満)
・首都圏の賃料は、東京23区以外のすべての地域で前期比横ばい。
・地域別では、東京23区は前期比で0.7%増、前年同期比でも2.1%増となり、緩やかな上昇傾向が続いている。東京都下は前期比0.2%増と横ばい傾向が継続。
・横浜・川崎市は前期比で0.5%減、前年同期比でも0.1%減となり、緩やかな下落傾向が続いている。そのほかの郊外エリアは横ばい。


コンパクトタイプ(住戸面積30~60平米未満)
・首都圏の賃料は、すべての地域で横ばい。
・地域別では、東京23区は2014年よりほぼ横ばい傾向(前期比0.2%増)。東京都下は東京23区と比べるとやや下落傾向(前期比0.1%減、前年同期比では1.1%減)。


ファミリータイプ(住戸面積60~100平米)
・首都圏の賃料は、前期比で東京都下が下落。その他の地域は横ばいの推移。
・地域別では、東京都下が2014年第1四半期に底を打ってから上昇傾向が続いてきたが、今期は前期比0.8%減となり上昇傾向に一服感。また千葉県西部は2014年後半以降上昇傾向で推移しており、今期は前期比0.5%増の実質横ばいとなったが前年同期比では1.9%増と上昇傾向は継続していると見られる。


上記2つの調査結果を、不動産投資の視点から集約すると「東京23区の賃貸マンションはシングルタイプが成約面でも賃料面でも有利」と言えます。
しかし、賃貸マンションの入居需要は「駅からの距離」「駅周辺の商業・生活インフラ施設の多さ」「エリア内の人口動態」の3要因が、個別物件の入居率・賃料に強い影響を与える状況に変わりはありません。この状況を踏まえて2つの調査結果を改めて見つめてみると、エリアと物件タイプにより複雑なまだら模様が浮かび上がってきます。
したがって、個人投資家が独力で投資判断をするのがますます困難となっており、確実な投資リターンを得るためには、不動産投資サービス会社とのパートナー関係が必須であると言えそうです。


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