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世界の不動産投資額から見る日本・東京のトレンド

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東日本不動産流通機構が2015年10月13日に発表した「月例速報 2015年10月度」によると、首都圏中古マンションの成約件数は前年同月比8.4%増の2877件で、9月度の前年同期比減から再び増加に転じました。 成約平均価格も前年同月比4.8%増の2948万円で、こちらは2013年1月度から34か月連続の前年同期比増を示しました。 2015年の不動産投資市場は、どのような動きを見せていたのでしょうか。

日本の不動産市場へ海外からの投資が拡大する理由

シンクタンク大手の野村総合研究所は、2015年6月に発表した「日本の不動産投資市場 2015」で国内の不動産市場の概況を以下のように分析しています。


  • ●J-REITは2013年度に2兆円以上の資産を取得し、投資家として圧倒的な強さをみせた。

    しかし2014年度は最有力投資家の座から転落した。

    代わって台頭したのは私募REIT、国内外の富裕層、国内外の事業会社などであり、東京区部においてはプロ投資家でさえ資産取得が難しい状況になっている。


  • ●2020年の東京五輪開催決定、円安、マクロ経済環境の好転などにより国内外からの旅行者が増加、ホテル投資が活況を呈している

  • ●東京区部の優良投資物件が不足しているため、国内機関投資家が警戒する地域・物件であっても海外投資家が投資機会獲得を優先し、資金投下のスピードを高めている。

    結果として、さまざまな投資視線を持ったプレーヤーが市場で共存し、多様な地域で不動産の流動性が高まりつつある


  • このレポートからは、日本の不動産投資市場がマクロ的にはすでに世界経済に組み込まれ、グローバル化していることが読み取れます。


    このことを海外調査機関のデータでみると、国内の不動産市場のグローバル化進展がより明確化します。


    例えば、不動産開発の国際的非営利研究団体「アーバンランド・インスティチュート」と国際会計法人「プライスウォーターハウスクーパース」が2014年12月4日に共同で発表した「不動産の新しい動向 アジア太平洋2015年」(英語版)によると、「2015年の投資見通しにおける上位5位の市場」として次の5都市を挙げ、それぞれの特徴を以下のように分析しています。


    • ●東京ː投資見通し、開発見通し共に1位

      緩和政策の進展により市場はさらに活発化し、拡大する。

      東京市場の魅力は不動産価格の上昇が見込まれることだけではなく、認知されるリスクが低水準にある一番手の都市であることが魅力の源泉になっている


    • ●ジャカルタː投資見通し、開発見通し共に2位

      インドネシア経済が活況を呈し、不動産価格もこの数年で大幅に上昇した。

      総じて不動産価格はアジアの他の大都市に比べ低水準に留まっている。

      ただし、市場が依然として不透明なことが懸念材料の1つ


    • ●大阪ː投資見通し3位、開発見通し4位

      東京の資産取得競争が激烈で、その結果多くの投資家が日本の二番手市場に向かっており、大阪はその恩恵にあずかっている。

      大阪では多くの不動産(特にオフィス部門)が供給過剰となっていたが、昨年にその大半が投資で吸収され、空室率も減少を続けている


    • ●シドニーː投資見通し4位、開発見通し3位

      シドニーの高利回りと成熟した経済が外国人投資家を引きつけており、またオーストラリアの年金基金とホールセールファンドも多数参画しているため、資産取得競争が激化している


    • ●メルボルン:投資見通し、開発見通し共に5位

    • メルボルンはシドニーと似た投資環境の市場として見られている。

      開発投資が強力に推し進められており、豊富な資金が投資先を探しており、キャップレートはいくらか低下しているものの、魅力的な市場であることに変わりはない


      このほか、レポートは全体的な傾向の1つとして「現在の市場に信頼を置けないため、ほとんどの投資家は価格や流動性の回復力に対する信頼度が高い一番手都市への投資を望んでいる。

      中国の二番手市場は過剰建設でゴーストタウン化が目立つため、投資家に敬遠されている。

      ただし日本だけは例外で、海外投資家とJ-REITとの競争が激しく、海外投資家は東京以外の二番手市場に向かっている」と分析しています。


懸念される国内投資家と海外投資家の競争激化

ところで、日本の不動産市場に対する今年の投資額は、海外市場と比べてどのような状況にあるのでしょうか。


このことについては、国際的総合不動産サービスの「ジョーンズ・ラング・ラサール」が興味深い2つのレポートを発表しています。

1つは「世界の不動産投資額 2015年第3四半期確報」(2015年10月22日発表)です。そのハイライトは以下のような内容です。


  • ●今期(2015年第3四半期)の世界の商業用不動産投資額は前年同期比2%増の1,730億ドルとなり、14 四半期連続で1,000億ドルを突破。

    また2015年1~9月期の投資額は前年同期比3 %増の4,970億ドルとなり、前年同期に続き2期連続で4,000億ドルを超えた

  • ●アメリカ大陸の今期投資額は前年同期比4%減の760億ドル、1~9月期の投資額は前年同期比10%増の2,290億ドルとなった。

    欧州・中東・アフリカ地域の今期投資額は前年同期比2%増の650億ドル、1~9月期の投資額は4%減の1,800億ドルとなった。

    アジア太平洋地域の今期投資額は前年同期比1%増の330億ドル、1~9月期の投資額は前年同期比2%増の890億ドルとなった。

    中国の株価下落やアメリカにおける利上げ可能性などを背景に、全地域で投資活動はやや低調となった


  • ●日本の今期投資額は前年同期比11%増の89億ドル(円建てでは30%増の1兆900億円)となった。また、1~9月期の投資額は前年同期比1%減の282億ドル(円建てでは15%増の3兆4,000億円)となった

  • ●都市別の今期投資額ではニューヨーク(367億ドル)が1位となった。

    このペースで行くと過去最高額となった2007年を上回る可能性もある。

    2014年1~9月期に1位だったロンドン(290億ドル)は2位となり、東京は前年に引き続き3位(136億ドル)を維持し、アジアで唯一トップテン入りしている。

    トップテン入りしている都市のうちロンドン、東京、パリ以外はすべてアメリカの主要都市が占めており、アメリカ大陸での好調な投資活動を反映している


  • もう1つは「日本の商業用不動産投資に関する分析レポート 2015年第三四半期」(2015年10月27日発表)で、その内容は以下のようなものです。


  • ●J-REIT市場においては、7月にジャパン・シニアリビング投資法人が資産規模約280億円で上場するなど新規上場の動きがみられた。

    この他、日本リート投資法人が複数の売主からオフィス11物件を約467億円で取得、GLP投資法人がスポンサーであるGLPの特定目的会社(SPC)から物流施設5物件を約381億円で取得、インヴィンシブル投資法人がスポンサーであるフォートレスのSPCからホテル11物件、住宅3物件を約353億円で取得するなど既存REITによる継続的物件取得の動きがみられた


  • ●2015年1~9月の私募ファンドによる投資額は約1.2兆円となり、前年同期比で60%増加した。私募ファンドによる投資額割合も前年同期の27%から35%へと上昇している


  • ●2015年1~9月の海外投資家による投資額は前年同期比45%増の約7600億円となった。全体投資額に占める海外投資家割合は約22%を占め、引き続き増加している

  • ●2015年1~9月のセクター別の投資額は、オフィスに対する投資が全体の59%を占め、今期は大型オフィスの取引もみられた

  • ●都心5区(千代田区、中央区、港区、渋谷区、新宿区)内の物件に対する投資額割合は前年同期比5ポイント減の40%となり、5区を除く東京都内の物件に対する投資額割合も8ポイント減の17%となった。

    一方で、東京都を除く東京圏3県(神奈川県、千葉県、埼玉県)に対する投資額割合は前年比7ポイント増の20%となり大幅に拡大している。

    また、大都市圏別投資額割合は東京圏が全体の77%、大阪圏11%、その他エリア12%となっており、前年同期と比較すると東京圏以外の投資が拡大している


    レポートは今後も不動産価格上昇および投資額増加は続くと予想、2015年通期の日本の商業用不動産投資額は前年比10~15%増の5~5.5兆円規模になると予測しています。


    アジア太平洋地域で最もカントリーリスクが低く、ほぼすべての海外不動産市場調査機関から「最も安全な資産」と太鼓判を押されている日本の投資用不動産。

    海外投資家の投資意欲は高まる一方のようです。

    そのため、特に東京市場では供給が少ない優良物件をめぐり、国内投資家と海外投資家の物件獲得競争の激化が懸念されています。

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