PICK UP!

  • 矢川駅9分
  • 52,500万円
  • 構造:RC造
  • 築年:平成7年8月築
利回り 6.3%

一棟マンション規模の不動産投資において考えておくべきたった2つの税金対策

システムマネジメントチーム 舟山 勲

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

「不動産投資は税金との戦いだ」と言われます。株式投資などと異なり、数千万円から数億円規模の巨額資金を中長期にわたって運用する不動産投資の場合、節税は投資回収や収益性に大きく影響してきます。 そこで今回は株式会社アクティスコーポレーション代表取締役の舟山勲社長に、不動産投資の実情に即した税金対策の在り方をお伺いしました。

節税目的の投資は失敗する

――不動産投資の動機として節税がよく挙げられますが、不動産投資はそれほど節税効果が高いのでしょうか?
不動産投資の場合、固定資産税、銀行借入利息、減価償却費を始め計上を認められている経費項目が多いので、短絡的に「不動産投資で節税」と思われるのかもしれません。
不動産投資の動機はもちろん節税で構わないのですが、実際に投資する段階で節税を目的にすると、私はその投資は失敗すると思っています。なぜなら、不動産投資の目的は物件運用で利益を得ることにあるからです。
つまり節税に励んだ結果、家賃収入より経費、すなわち支出の方が多かったでは、不動産投資の「得べかりし利益」を得ていない訳で、これは本末転倒です。
結論を申し上げますと、私は税金対策とは不動産投資で「適正な利益」を得るための調整弁だと捉えています。


 

――では、適正な利益を得るための税金対策とはどのようなものなのでしょうか?
基本的には「圧縮」と「分散」の二通りしかありません。
圧縮とは、副業として賃貸マンションなどを経営している場合の節税法です。簡単に言えば、経費項目をできるだけ多くして不動産所得額を下げる方法です。


 

――管理費を始め10項目とか12項目とか言われている経費ですね?
そうです。理屈上はそうした税法上認められている経費を片っ端から計上すれば相当な節税ができる訳ですし、経費計上した結果、家賃収入より支出の方が多かったとなれば、給与所得との損益通算ができるので、給与所得の課税額も減らせます。
でも、そんな賃貸マンションの赤字経営で投資家様は幸福になれるのでしょうか。


 

――なるほど。節税を目的にしてしまうと「経費計上できるから」と、経費の支出に歯止めが利かなくなる訳ですね。その結果、例えば更新時期が来ていない設備を早めに更新したりの、いわゆる「節税赤字」になってしまう‥‥?
おっしゃる通りです。
不動産投資の節税において重要なのは、その経費は家賃収入を得るために必要不可欠なものなのかということなのです。これで「節税目的の投資は失敗する」の意味がご理解いただけると思います。


 

副業形態より節税効果が高い法人化による不動産投資

――次に分散とはどのような節税法なのですか?
これは不動産管理会社を設立し、事業として賃貸マンション経営などを行っている場合の節税法です。
法人化すれば家賃収入は不動産所得ではなく事業所得になります。一般企業の経営と同じですから、不動産所得より経費計上できる項目も増えますし、節税という面では法人化した方が有利と言えます。


 

――つまり所得税と法人税実効税率の差を利用した節税法ですね。家賃収入が年間で100万円や200万円のレベルでは法人化の節税効果がないと言われていますが、その目安はどこに置けば良いのでしょうか?
法人化の目安は家賃収入ではなく、給与所得と不動産所得の合計額です。
例えば東京都の場合、事業所得が400万円以下の法人税実効税率は21.42%、400万円超800万円未満は23.20%などとなっています。一方、所得税の方は給与・不動産の所得課税額が695万円超900万円未満は23%、900万円超1800万円未満は33%などとなっています。これに前年の所得に対して10%の住民税が加わります。
したがって、住民税を無視して計算すると、給与・不動産の所得課税額900万円超が法人化の目安と言えます。


 

――法人化のハードルは意外に低いのですね?
はい。「法人化はハードルが高い」との先入観を持っておられる投資家様は少なくないと思います。しかし1棟投資で税引き前キャッシュフロー200万円はそんなに難しいことではないので、給与所得の課税額が500万円レベルの投資家様ですと、給与・不動産の所得課税額は700万円を超えます。これが2棟目、3棟目と投資規模拡大につれて給与・不動産の所得課税額が増え、税率も高くなります。
投資目的によるので一概には言えませんが、不動産投資は副業として取り組まれるより、法人化した方が節税効果は高いケースが多いと言えます。


 

節税だけにとどまらない法人化のメリット

――法人化するとどんなメリットがあるのでしょうか?
まず税金面では、経費計上による節税のほか、会計面では青色申告で認められている小規模企業共済掛け金・中小企業倒産防止共済掛け金・役員の生命保険料支払いによる課税繰延と外部留保、欠損金繰越・任意償却などの会計処理もできるので、利益の調整を図ることができます。


 

――つまり、儲けが多かった会計年度は経費計上、課税繰延などの会計処理で突出した黒字を避けられるし、逆に儲けが少なかった会計年度は外部留保取り崩しなどで必要経費を捻出すれば赤字決算を防げる訳ですね?
はい。このほか所得分散、相続税対策でも法人化は有利だと思います。


 

――先に説明いただいた税金対策の「圧縮」と「分散」の後者の話になりますね。その所得分散とは、どんなメリットがありますか?
法人の役員報酬支払をオーナー一人に限るのではなく、例えば妻と子供を役員にして役員報酬支払を分散するのです。
仮に不動産所得課税額ベースで1000万円を役員報酬として経費計上する場合、オーナー1人だと税率は33%になります。これをオーナーの役員報酬が400万円、妻と子が300万円ずつに分ければ、オーナーの不動産所得税の税率は20%に下がるので、課税額を圧縮できます。
そして、税引き後の手取り収入の何割かを積み立てておけば、資産形成の原資や投資拡大をする時の原資にできるなど、多様な使い方ができます。
法人化といっても実態は出資者がオーナー1人の個人事業なので、事業上のリスクはすべてオーナーが負わなければなりません。万一のリスクに備える意味でも、所得分散でリスク対応資金を別途積み立てておくのは賢明な投資だと思います。


 

――では相続税対策というのは?
相続が発生した場合、サラリーマン大家など個人所有の不動産に対しては相続税が課税されます。相続人が複数いれば遺産分割で揉めることもあります。
しかし、法人の事業資産に対しては相続税が課税されません。法人の株主であるオーナーが所有している未公開株式には相続税がかかりますが、これも個人所有の不動産相続と違い移転登記が不要ですから、株式の相続により事業資産の移転や分割もスムーズにできます。


 

不動産投資は社会的生産活動の一環

――すると実態は副業でも、不動産投資に本格的に取り組む場合は法人化が有利というより、こちらの方が正常な感じがしますが‥‥?
おっしゃる通りです。
当社でも2棟目、3棟目と投資拡大をされるオーナー様には法人化提案をするケースが多いですね。


 

――法人化、すなわち不動産管理会社というと、建物管理や入居者募集・家賃集金を行う管理受託会社をイメージするのですが、実際はどのような業態なのですか?
サブリース型と所有型に大別できます。
サブリース型は、オーナーが株主となって設立した法人にオーナー所有の賃貸用物件を一括して賃貸し、これを法人が第三者へ転貸(サブリース)する業態です。賃貸用物件は個人であるオーナーの継続所有になります。入居者募集、家賃集金などを行う物件運用受託会社を法人によって代替した業態と言えるでしょう。オーナーの収入は、法人を通して徴収される家賃収入の一部、法人の役員報酬などからなります。


ただ、この業態だと法人としての実体が不明瞭なところもあるので、経費計上や各種会計処理を巡って税務署と揉めることがあり、所得分散効果も低いので、法人化のメリットを十分に享受できない可能性があります。
一方、所有型はオーナーが株主となって設立した法人が賃貸用物件を所有し、法人が賃貸経営を行う業態です。
こちらは法人の実体が明瞭で、所得分散などの透明性も高いので税務署と揉めることもあまりなく、法人化のメリットを享受しやすいと言えます。


 

――では法人化するなら所有型が有利ということですね‥‥?
「はい、そうです」と一概に言えないのが不動産投資の奥深いところであり、悩ましいところでもあります。要は投資目的によりどちらの業態が有利なのかということなのです。
このため当社では、個々の案件ごとに顧問税理士と相談しながら収益性のシミュレーションを行い、最適な法人化の提案をクライアント様に行っています。
いずれにしても、税金対策は税金回避のために行うものではありません。当社では適切な節税で適正な収益を確保し、その収益の一部を納税という形で社会に還元するのが、税金対策の本来の在り方だと考えています。不動産投資も社会的生産活動の一環だからです。


 

――本日は法人化による不動産投資の効率的な節税対策をうかがうことができ、とても参考になりました。ありがとうございました。



/photo/blog/interview/about-img02-e1454503866495_140.jpg
PROFILE
舟山 勲
2012年12月にアクティスコーポレーション代表取締役に就任。現在はシステムマネジメントチームのマネージャーも務める。
実需の賃貸仲介営業から売買仲介、注文建築、大型宅地開発、リノベーションなどにも数多く着手し住宅業界の全貌を知る。そして不動産投資業界に移籍し、投資理論を基本に『問題解決』を提供するべく、機関投資家、個人投資家に対して戦略的投資設計のアドバイスを提供している。
このコンサルタントの紹介を見る

  • このエントリーをはてなブックマークに追加