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「マイナス金利時代」の不動産投資対策――2020年までに今すべき投資戦略

システムマネジメントチーム 舟山 勲

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2020年の東京五輪開催まであと4年。メディアではこのところ、東京五輪終了後の不動産投資市場を占う論議が活発化しつつあります。その中には「東京五輪開催までは都心の不動産価格は値上がりが続く。しかし終了後は値下がりに転じる」との論調も見られます。
「東京五輪開催まで」と「終了後」‥‥不動産投資市場はどのような動きが想定されるのでしょうか。
今回は不動産投資の現場で多くのクライアントをお手伝いしてきた弊社アセットマネジメントチームの小石が、今後の不動産市況動向について解説させていただきます。

不動産投資市場への影響は東京五輪よりマイナス金利政策によるもの

――東京五輪開催を巡り不動産投資市場は、これからどのような動きが想定されるでしょうか? メディアなどでは東京五輪開催の影響をクローズアップした市場予測論議が盛んなようですね。
しかし、東京五輪開催による経済波及効果が実際に働くのは、東京五輪開催以降ではないでしょうか。オリンピックというのはある種、国際的なお祭りのような側面がありますから。どこの開催国でも五輪会場整備に向けた投資や開催中の観客の消費で、一時的に経済が盛り上がります。この一時的な盛り上がりだけで不動産投資市場が大きな影響を受けるとは考えられません。


 

――冷静に見るとおっしゃる通りかも知れません。東京五輪開催絡みの不動産投資プロジェクトの総額も、東京の不動産投資市場全体から見ると比率は小さいと言われていますね。しかし、特に今年に入ってから不動産投資が活発化しているのも事実のようですが?
これについては、東京五輪開催まであと4年というタイムスケジュール的な影響は確かにあると思います。しかし最大の影響は、日銀が今年2月16日から開始したマイナス金利政策だと私は見ています。
安倍政権発足を機に、日銀は異次元の金融緩和で市場に資金を潤沢に供給し、その効果で経済成長2%達成の目標を立てました。しかし、市場では日銀が期待した以上の資金需要がなく、実質マイナス成長が続いています。日銀が供給した資金が国内でほとんど循環せず、大半が国債や海外投資に吸い込まれています。
「それでは」と奥の手のマイナス金利政策導入に踏み切った訳ですが、やはり資金需要喚起策にはならなかった。でも、その恩恵を被った業界が1つだけありました。


 

――不動産業界ですね?
はい。特に不動産投資分野への影響が強かったと思います。


 

マイナス金利政策が呼び込んだ個人投資家の急増

――マイナス金利政策導入が不動産投資拡大の追い風になった訳ですが、具体的には現在、どのような風が吹いているのでしょうか?
私は不動産投資の裾野拡大の追い風が吹いていると思います。
不動産市場ではここ数年、「歴史的低金利」が続いていた訳ですが、それでも不動産投資をしようとすると越えなければいけないそれなりのハードルの高さがありました。しかし、マイナス金利政策導入により「これ以上下げようがない」と言われる低金利となり、不動産投資のハードルが玄関の敷居程度の低さまで下がってしまいました。
それが不動産投資の潜在層を一気に水面に浮上させ、不動産投資市場に新規参入する個人投資家の増大要因になったと思います。


 

――不動産投資向けの貸出審査が緩くなった?
はい。現在の銀行は不動産投資向けの貸出姿勢が非常に積極的です。極端に言えば、負債返済能力の確認さえできれば、借入希望額は全額回答のような状況と言えます。
このため、当社でも不動産投資初心者の方々の投資相談が急増しています。


 

――その初心者はどのような属性の方が多いのですか?
ここ3カ月間ぐらいの現象であり、統計も取っていないので正確なことは申し上げられないのですが、ご相談対応させていただいた私の実感では、40代後半から50代前半のビジネスマンで、管理職の方が一番多いですね。


 

――その年代の管理職といえば会社の要。年齢的にも脂が乗りきっている最中ですね。その方々が新しく不動産投資をしたいと言う理由は何ですか?
私が直接お聞きした範囲では「早期退職をして、第二の人生を賃貸経営に費やしたい」という理由が一番多いですね。


 

――それはまたどうしてでしょうか。定年退職までまだ10年から20年の余裕があります。会社ではリーダー的存在です。退職金をもらってから不動産投資を開始しても遅くないと思いますが‥‥?
アンケート調査をした訳ではないので、これも正確なことは分かりませんが、ご相談対応の経過から推測すると年金制度への不安が大きいと思います。


――自分が年金受給者になるのは今から10~20年後。その頃に年金だけで老後の生活が賄えるかどうかについて不安がある‥‥?
はい。だから現役バリバリの今のうちに賃貸経営業に転身しよう。そうすれば「生涯現役」でいられるとのお考えがあるようです。また、万一投資に失敗しても、現役バリバリのうちなら立ち直って捲土重来できるとのお考えもあるようです。


 

――なるほど。サラリーマンなら定年退職年齢を他人に決められてしまいますが、オーナー経営者なら定年退職年齢を自分自身で決められますものね。それと管理職なら計画立案・遂行はお手の物でしょう。計数管理にも明るい。賃貸経営の適性も高いですね。すると、投資失敗のリスクも低いということでしょうか?
そうした有利な側面もあります。
ビジネスマンとして有能な方ほど生涯現役志向が強いように思えます。不動産投資には、どうやらそうした方の受け皿としての機能もあるようです。


 

――ちょっと気の利いたビジネスマンなら、新規参入のハードルが限りなく低い今のうちに賃貸経営者に転身し、そこに生き甲斐を求めてもおかしくない訳ですね?
おっしゃるとおりだと思います。


 

銀行が蛇口を緩めている時期だからこそ堅実経営が重要

――そうした40~50代の管理職層を始め、不動産投資に新規参入したいという相談者に対して、御社はどのようなアドバイスをされているのですか?
低金利時代が東京五輪終了後も続く保証はありませんし、マイナス金利政策もいつまでという定めはありません。極論すれば、今から1年後にマイナス金利政策打切りの可能性がある訳です。そうなれば不動産投資環境が直ちに厳しくなる可能性があります。
ですから当社では、クライアント様に対しては「現在は銀行との信頼関係を固める絶好の時期です」とアドバイスしています。
つまり、キャッシュフロー重視ではなく、投資の実績作りを重視してくださいと申し上げています。実績を積み上げる堅実経営に努めていれば、日銀の政策転換で金利が上昇に転じ、銀行が蛇口を締めても、実績のある取引先に対してまで銀行が蛇口を締めることはまずありません。したがって、運転資金不足などで経営が行き詰まる事態も避けられます。


 

――例えば物件を3棟運用していて、そのうちの1棟の収益性が著しく低下してきた。そこで当該物件を売却して投資利回りの高い物件を取得し、ポートフォリオを改善したい。そういった時に、実績の高い投資家から優先して銀行は必要な資金を貸し出してくれる‥‥?
おっしゃるとおりです。
ですから当社では、クライアント様やオーナー様(アクティス「OWNER‘S」会員)に対して、「銀行からの経営評価や所有物件への評価を得られる投資や経営に極力努めてください」とお願いしています。当社自身も、現在はそのような経営支援に注力しています。


 

――家計に過度な負担をかける投資はしない、満室経営を心掛けて確実な収益確保や投資回収を図る、そんな経営姿勢が現在の時期こそ重要という訳ですね? はい。また、すでに複数棟を運用されている経験者の場合も、「マイナス金利時代の今が投資拡大チャンスだ、賃貸マンション需要は東京五輪終了後も続く」と錯覚し、身の丈以上の投資拡大に走ると、銀行が蛇口を締めたり、供給過多で物件価格が下落し始めたりすると、直ちに債務超過に陥る危険性があります。 例えば、新築・築浅物件は銀行の積算評価が出にくいので、投資拡大を急いでそのような物件を何棟も長期借入で取得してしまうと、投資環境が厳しくなった時に著しい債務超過に陥り、身動きが取れなくなる可能性が高いのです。 その意味で、現在は物件の見極めも重要な時期だと私は思っています。


 

――メディアなどの報道では決して分からない、不動産投資の現場で客観的な立場で活躍されている方にしか見えない「マイナス金利政策時代の不動産投資のポイント」が聞けたと思います。本日は有意義なお話をありがとうございます。


 
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PROFILE
舟山 勲
2012年12月にアクティスコーポレーション代表取締役に就任。現在はシステムマネジメントチームのマネージャーも務める。
実需の賃貸仲介営業から売買仲介、注文建築、大型宅地開発、リノベーションなどにも数多く着手し住宅業界の全貌を知る。そして不動産投資業界に移籍し、投資理論を基本に『問題解決』を提供するべく、機関投資家、個人投資家に対して戦略的投資設計のアドバイスを提供している。
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