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  • 52,500万円
  • 構造:RC造
  • 築年:平成7年8月築
利回り 6.3%

不動産投資・融資戦略を左右する担保力の意味

システムマネジメントチーム 舟山 勲

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不動産投資の戦略を立てる上で、物件の「担保力」という言葉はよく使われます。プロパーローンの融資審査では、オーナーの資力、物件の収益力、物件の担保力が重視されるといわれていますが、その中でも「担保力」は直感的にイメージしづらく、投資戦略を立てる時点で軽視されがちです。
今回のインタビューでは弊社のコンサルタントであり、多くの投資家様と物件に携わってきた当社の舟山が、「担保力」の実態についてお話します。

銀行がオーナーの資力、物件の担保力、物件の収益力を重視する理由

――プロパーローンの融資審査ではオーナーの資力、物件の担保力、物件の収益力の3つが重視されるといわれています。なぜでしょうか。

プロパーローンの融資審査で銀行が最重要視するのは、借入金の返済能力です。

このため、まず与信の尺度として、オーナーに借入金の返済能力がどれだけあるのかといったオーナーの資力を見るのです。

次に、銀行としては安定した収益(家賃収入)が見込める物件であれば、借入金返済の延滞リスクが低くなりますし、借入金完済まで資産価値が担保できる物件であれば、万が一、借入金の返済が不能になった場合でも融資物件を売却すれば貸付金を回収できますので、「担保力がある」といえます。

そんな理由から銀行はオーナーの資力、物件の収益力と担保力の3つを重視するのです。


――担保力については後ほどお伺いしますが、不動産投資におけるオーナーの最大の関心事は物件の収益力、すなわち物件運用でどれだけのインカムゲインを得られるか、出口戦略でどれだけのキャピタルゲインを得られるかだと思います。収益力の高い物件を取得するためには、やはり投資法が重要です。それにはどのような方法があるのでしょうか。

不動産業界で一般にいわれている投資法は次の3つですね。


1つ目は、格安の築古物件投資です。

これは主に戸建て住宅を対象にした投資法です。戸建て築古物件の中には、ほぼ土地値(老朽化して不動産価値がなくなった建物は評価せず、土地だけを評価した売買価格)またはそれ以下で購入できる物件があります。

そうした物件を探し出し、セルフリフォームを含めた低額修繕を施して賃貸する投資法です。

この投資法のメリットは低額投資ができることです。利回りが最悪でも土地値で売却できるので、失敗した時の損失も少ないと言われています。

2つ目は、土地値アパート投資法です。

こちらは前述した投資法のバリエーションで、アパート一棟投資が対象です。

更地にすれば土地値で売れるのに、上物(賃貸中のアパート)があるため更地にできず、オーナーが所有を持て余しているような物件を周辺相場以下で購入するのがミソです。

このような物件は駐車場があるなど敷地も広いケースが多いのも投資には有利です。

この投資法のメリットは、建物を解体して土地をして売却すれば土地売却益が得られるので、出口のリスクが低いことです。

3つ目は、バルクセール投資法です。

これは、例えば分譲マンションの1フロア10戸などのまとめ買いすることで、物件をその分譲マンションの相場価格より安値で取得し、それを1戸ずつ元の相場価格で売却し、相場価格と取得価格のサヤを取る投資法です。


――今のお話を伺うと「帯に短し襷に長し」というか、御社が得意にしておられる賃貸マンション1棟投資に適した投資法ではないようですね。

実はそうなのです。

不動産投資成功者の経験などを一般論化した投資法は、どうしても一長一短になってしまいます。現実の投資法は千差万別で、成功者の経験を援用してもうまくいくケースは稀でしょう。


当社では、投資法で重要なのはクライアント様(投資相談者)の投資目的と目標だと考えています。

すなわち資産形成なのかキャッシュフロー獲得なのか、目的達成は短期なのか中期なのか長期なのかなど、クライアント様の要望は個々に異なります。

ですから、当社の場合は着実に収益が得られるように「1クライアント1投資法」といいますか、クライアント様の要望に最適な投資法をその都度オーダーメイドと同じようにご提案しているのです。

担保力で資金調達をするには一定面積以上の土地が必要

――では話を担保力に戻します。銀行は物件の担保力をどのような方法で評価しているのでしょうか。

大半の銀行が積算法評価です。中には積算法と収益還元法の両方で評価し、評価額が低い方を担保力として評価している銀行もあります。


―― 積算法とはどのような評価法なのでしょうか。

基本的には建物と土地の路線価を基にした評価法です。

銀行が積算法を採用する理由として、土地の価格は景気変動の影響を受けにくいので比較的安定していますが、建物の価格は経年変化に伴ってほぼ確実に下落するという点があげられます。


土地の価格は「一物四価」と言われ、実勢価格、公示価格、路線価、固定資産税評価額の4つの価格が存在します。

実勢価格とは不動産市場で実際に取引されている価格のことです。公示価格とは土地取引の指標として国土交通省が地価公示法に基づき毎年1月1日に発表している土地価格で、実勢価格の90%と言われています。

路線価とは土地の相続・贈与税の算定基準とするために国税庁が定めた価格で、実勢価格の70~80%と言われています。

固定資産税評価額とは固定資産税、都市計画税、不動産取得税などの算定基準とするために各市町村が定めている価格で、実勢価格の60~70%と言われています。


そこで、まず土地は基本的に「路線価×土地面積(平米)×70%」の算式で土地評価額を算出します。この価格に各銀行がそれぞれ独自の補正率をかけて「担保評価額」を算出しています。

次に建物は「(再調達価格×延べ床面積×残存耐用年数)÷法定耐用年数」の算式で担保評価額を算出しています。

再調達価格とは担保対象物件を新築した場合の建築平米単価で、銀行は「木造または軽量鉄骨造りː15万円、重量鉄骨造りː18万円、鉄筋コンクリート造りː20万円」などを目安にしているようです。

ただ、今回は話をわかりやすくするため土地についての算出方法を中心として解説していきたいと思います。


――積算法で担保力を評価すると、都心と郊外とではどのぐらいの差が出るのでしょうか。

そうですね。銀行の担保評価の基本は何と言っても土地ですから、恵比寿駅周辺と中央本線の国分寺駅周辺の土地で比較してみましょうか。

例えば恵比寿駅東口の「恵比寿SSビル」辺りの路線価は2015年度の場合132万円/平米です。一方、国分寺駅南口の「米沢ビル」がある辺りの路線価は同じく38万9000円/平米です。

そこで土地が共に100平米と仮定して先の算式で土地評価額を計算すると、恵比寿駅周辺の場合は「132万円×100平米×70%」で9240万円、国分寺駅周辺の場合は「38万9000円×100平米×70%」で2723万円となります。


――恵比寿駅周辺と国分寺駅周辺とでは3.4倍もの開きがあるので、やはり都心物件の方が担保力はある訳ですね。

土地評価額だけを見るとそのように思われるかも知れません。

ところが、単純にそうだと断定できないのが「担保力問題」の悩ましいところで、不動産投資の綾とも言えます。土地評価額=担保力ではないからです。

例えば、土地価格情報サイトの「土地代データ」を見ると、恵比寿駅周辺の平均実勢価格は199万9500円/平米なので100平米なら1億9995万円となり、実勢価格と土地評価額の開きは2.2倍です。国分寺駅周辺の平均実勢価格は37万5687円/平米なので100平米なら3756万8700円となり、その開きは1.4倍です。

と言うことは、3756万8700円の投資で取得した国分寺駅周辺の物件なら2723万円の土地評価額を得られるので、土地評価額率は72.5%になります。対して1億9995万円もの巨額で取得した恵比寿駅周辺の物件は9240万円の土地評価額しか得られないので、土地評価額率は46.2%しかありません。


――つまり恵比寿駅周辺の場合は取得価格の半値以下の評価しか得られない?

そうなのです。ですから路線価が高い都心物件の担保力は低く、都心から離れた路線価の低いエリアの物件ほど担保力が高いと言えるのです。


――今のお話を伺うまで、取得価格が高い物件は当然土地評価額が高く、その逆は低いと理解していたのですが、物件の取得価格と担保力は別物と言うことですね。

おっしゃる通りです。投資家の皆様が陥りやすい誤解と言うか錯覚と言えるでしょうね。


銀行借入は「物件の収益力とオーナーの資力で堂々と勝負」が王道


―― ところで、積算法による担保評価ではなく、収益還元法で担保評価をしている銀行もあるようですが……。

確かにあります。しかしそれは今のところ「りそな銀行」など数行だけです。


―― 不動産投資の識者の中には積算法による担保評価はもう時代遅れ。これからは収益還元法により担保評価をすべきだとの意見もありますね。

私もその御説は承っており、傾聴すべきご意見だとも思っています。

収益還元法はもともとREIT(不動産等信託)などの機関投資家や都市再開発など大規模不動産投資事業の収益分析手法として米国で開発されたものなので、確かに物件の収益性評価には優れています。しかし、収益性は景気動向や市況の影響を受けやすいと言う弱点があります。

弊社が運用代理をさせていただいているオーナー様(OWNER'S会員)の物件を中間分析し、投資計画に狂いが生じていないか否かを定期的に検証しているのはそのためです。

したがって短期的にはともかく、長期的に安定した担保力の評価は積算法が適していると言わざるを得ません。


ですから弊社の場合、都心物件の投資では全額自己資金、あるいは頭金割合の高いローンで購入できる物件をまず取得し、そのインカムゲインと早期売却によるキャピタルゲインを原資に物件買替えを何度か繰り返して投資の実績を作る、あるいは都心の収益力に特化した物件と、都心から離れたエリアの担保力確保に特化した物件をセットで取得する投資法などをクライアント様にご提案するケースもあります。後者の投資法はリスク分散にも効果的です。


――なるほど。銀行借入で資金調達する場合は「物件の担保力」を過信せず、「物件の収益力」と「オーナーの資力」で堂々と勝負と言ったところですね。
本日は貴重なお話をありがとうございました。


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PROFILE
舟山 勲
2012年12月にアクティスコーポレーション代表取締役に就任。現在はシステムマネジメントチームのマネージャーも務める。
実需の賃貸仲介営業から売買仲介、注文建築、大型宅地開発、リノベーションなどにも数多く着手し住宅業界の全貌を知る。そして不動産投資業界に移籍し、投資理論を基本に『問題解決』を提供するべく、機関投資家、個人投資家に対して戦略的投資設計のアドバイスを提供している。
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