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「フルローンは難しい」と言われる意外な理由――投資家のフルローンニーズを阻んでいる正体は何か?

システムマネジメントチーム 舟山 勲

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近年、安全な資産運用法である不動産投資の人気が高まり、不動産投資を開始するサラリーマン投資家も増加の一途をたどっていると言われています。それを背景に、特に2016年2月の日銀のマイナス金利政策実施以降、「今こそ頭金ゼロで不動産投資を!」などのキャッチコピーで、フルローン(全額融資)利用の不動産投資を奨める広告も増えています。 個人投資家の間でも、低金利のメリットを十二分に生かせるフルローンへの関心が高まっていると言われます。ところが、こうした状況とは裏腹に、フルローンの融資審査が通ることはレアケースに近いとも言われています。その意外な理由と、フルローンの融資審査をパスできる秘訣を、当社の舟山が解説します。

フルローンのリスクはコントロールできるリスク

――「マイナス金利政策のチャンスを逃すな」と、最近は個人投資家の間でフルローンへの関心が高まっています。その一方で、「フルローンで不動産投資をやりたいが、リスクが大きいのではないか」と警戒する人もあるようです。フルローンのリスクは大きいのでしょうか?
フルローン自体がリスクのある資金調達手段ではないのですが、やはり投資戦略を誤ると危険性の高い資金調達になる恐れはあります。
例えば、フルローンで資金調達をすると、どうしても借入期間が長期化するので、キャッシュフローが低い期間も長くなり、その間に空室率が上昇したりするとローン返済が苦しくなることもあります。あるいは、運用物件の立地エリアに有力な競合物件が現れ、運用物件の競争力が低下したので売却して「収益の最大化」を図ろうとしても、売却価格がローン残債を下回っていれば売却できず(※)、赤字垂れ流し経営を余儀なくされる可能性があります。この2つはフルローンの典型的な潜在リスクでしょうね。

※物件を売却する場合は、ローン残債を清算しなければ銀行が抵当権を抹消してくれないので、ローン残債のある物件は投資家が勝手に売却できない。


 

――ではやはり、不動産投資をする場合は物件購入価格の2~3割程度の頭金(自己資金)を用意した方が、資金調達としては安全なのでしょうか?
そうとも言えません。
不動産投資物件というものは、物件の個別性が極めて高いので、「頭金を何割用意しておけば安全」という目安やセオリーはないのです。物件により頭金を4割用意しておけば安全なケースがあれば、フルローンでも安全なケースもあります。
頭金を何割用意するか、フルローンで進めるかは、その物件の収益シミュレーション結果を見ての判断になります。


 

――つまり、適切な借入金割合は、その物件運用で確実と想定されるキャッシュフロー、FCR(総収益率)、物件競争力、金利水準などから逆算して決めるというわけですね?
簡単に言えば、その通りです。


 

相談前からフルローンは無理とあきらめている投資家が多い

――フルローンのメリットとして、一般に「自己資金ゼロで物件購入をできるので投資のレバレッジ効果が非常に高い」「頭金相当額を手元に残しておけば、例えば雨漏り修繕など緊急事態的出費にも対応できる」と言われています。先ほどお伺いした潜在リスク要因をコントロールできるのであれば、フルローンを利用したいと思う個人投資家は多いはずです。また、フルローン利用が増えれば、銀行側も貸出チャンスと貸出額が増えるので、銀行にとってもメリットがあると思われるのですが、現状はフルローンに消極的な銀行が多いと言われています。なぜでしょうか?
不動産投資向けローンとしてはパッケージ型のアパートローンと、オーダーメード型のプロパーローン(事業融資)の2つがあります。
アパートローンの場合は融資条件や融資限度額が決められているので、区分所有物件向け融資が大半と見られます。一方、プロパーローンは事業規模的不動産投資になる一棟物件が実質的な融資対象と言われていますから、融資審査が物件ごとの個別対応になります。


 

――つまりプロパーローンの場合は、投資家の属性はもとより物件個別の立地エリア、物件タイプ、実質利回り予測、物件管理状態、物件価格に占める土地値の割合など多岐にわたる評価項目による担保価値査定で、融資額を決定するわけですね?
そうです。
ただ、銀行には貸出金返済の担保性を重視する傾向が強く、いきおい保守的な融資審査を崩さない姿勢があるように思えます。


 

――それは例えば、どのようなものでしょう?
一例を挙げれば建物の法定耐用残存年数ですね。
建物の法定耐用年数は、税務の必要上、建物の減価償却費算定基準として財務省が定めたもので、建築の科学的根拠に基づいたものではありません。それが証拠に、例えばヴィンテージマンションのように、鉄骨・鉄筋コンクリート造の法定耐用年数47年を超過した築古マンションでも商品価値を失わず、周辺相場より高値で取引されている物件はいくらでもあります。

ところが、大半の銀行は「融資期間は法定耐用残存年数の範囲内」の内規を崩していません。貸出限度額も、土地の路線価と建物の法定耐用残存年数を基にした積算評価額以下の内規を崩していない銀行が大半と言われています。
したがって、極端に言えば法定耐用年数を超過した物件は初めから融資対象物件にはならず、積算評価額を超える融資はしないわけです。これが、フルローン融資を困難にしている要因の1つではないでしょうか。
とはいえ、これは銀行の社会的立場を考えると、ある意味で仕方がないとも言えるでしょう。


 

――他には、どんな要因が考えられますか?
それ以上に問題なのが、資金調達をする投資家様、厳密には投資家様に資金調達をアドバイスする不動産会社や不動産投資サービス社側の意識だと思います。
プロパーローンにおける銀行側の緩やかな融資規定を不可侵の内規と勘違いし、銀行側ではフルローン適用をしたい物件でも、「今までの融資審査状況を見ると、8割融資が限度」と、初めからフルローン申し込みをあきらめてしまうのです。


 

他社で無理と言われた物件をフルローンにできた秘訣とは

――言わば不動産会社がフルローン利用の自主規制をしている。それを隠すために投資家には「マイナス金利政策の影響で不動産投資向け融資には積極的ですが、融資額は積算評価額以下の内部基準があるので、この物件でフルローンを組むのは極めて困難な状況です」式の説明をしているわけですね?
そんなところだと思います。先日もこんなケースがありました。
「最初の不動産投資に成功したので信頼していた不動産会社に2棟目の物件仲介を依頼し、その物件が気に入ったのでフルローンを組めないかと相談した。すると、『この物件は築20年なので融資期間は最長25年が限界。築古物件なので融資限度額も物件価格の7割が良いところ。フルローンはとても無理』と言われた。その理由をいろいろと説明してもらったが腑に落ちない」と言う投資家様が、セカンドオピニオンを頼るような気持ちで当社へ「フルローンは本当に無理か」と相談にいらっしゃいました。

お話を伺うと、「定年退職後の給与収入に替わる収入確保を目的に5年前から一棟投資を始めた。将来の生活安定化に備えて2棟目購入を決意した。5年後の定年退職時に見込める退職金と合わせると5000万円の貯蓄があるが、これは万が一に備えて2棟目投資の頭金に充当したくないので、今回は何としてもフルローンを利用したい」というものでした。

当社のコンサルタントが早速、投資家様が気に入ったと言われる物件を精査したところ、築古マンションではありましたが管理状況は良く、立地エリア内での競争力も高いので、取得すれば満室経営がほぼ確実な優良物件でした。
そこで、当社のコンサルタントが当社提携銀行に詳しい物件鑑定書と事業収支計画書、それに当社の収益シミュレーション結果を提出して投資戦略を説明し、フルローンの申し込みをすると、「融資期間40年、全額融資額」とフルローンが1週間でOKになりました。


 

――「融資期間は最長25年が限界」と言われた物件の融資期間が40年になったのですか? その差は実に15年。これだけの長期融資を確保できれば月々の返済負担も楽になりますね。
銀行の融資審査には、今でも「石橋を叩いても渡らない」式の慎重姿勢が見られるので、自主規制を言い訳にしたくなる気持ちがわからないわけではありませんが、「フルローン絶対不可」の内規を設けている銀行は稀だと思います。
それどころかマイナス金利政策実施中の現在、資金需要が多い不動産投資に対してはむしろ「フルローン対応をしたい」が銀行の本音だと思います。同時に、不良債権を生まないよう「フルローンにはより慎重に」というのも、銀行の変わらぬ審査姿勢だと思います。
この審査姿勢を崩すのが客観的な物件鑑定と綿密な事業収支計画、緻密な収益シミュレーションなどに基づく負債返済能力の証明だと思います。


 

フルローンを可能にした裏に銀行との信頼関係

――現在の銀行側スタンスとしては、与信の安全性が確認できれば、貸出額が増えるフルローンは歓迎のはずでしょうからね。
そんな気配は感じます。
ですから、例えば先の融資案件でも、当社は当該物件のインスペクションも行い、建物の40年保証の証明書も物件鑑定書に添付しています。


 

――与信の安全性を証明するノウハウと経験、そして数多の実績が御社にはあるのですね?
それが当社の強みであり、投資家様に対する当社の存在価値だと確信しています。


 

――フルローンが利用できなければ、2棟目、3棟目と投資拡大チャンスを逸する投資家が多いでしょうし、銀行側にとっては貸出チャンスの逸失になると‥‥?
そうならないよう、当社は約30行の銀行と提携すると共に、日頃から良好なパートナー関係を築いて銀行ごとの融資姿勢と不動産投資に対する融資状況を把握し、資金調達に際しては投資家様と銀行がwin-winの関係になれる融資を何よりも大事にしています。


 

――御社のその企業姿勢も、フルローンを可能した理由の1つだと思います。本日も有益なお話を賜り、ありがとうございます。


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PROFILE
舟山 勲
2012年12月にアクティスコーポレーション代表取締役に就任。現在はシステムマネジメントチームのマネージャーも務める。
実需の賃貸仲介営業から売買仲介、注文建築、大型宅地開発、リノベーションなどにも数多く着手し住宅業界の全貌を知る。そして不動産投資業界に移籍し、投資理論を基本に『問題解決』を提供するべく、機関投資家、個人投資家に対して戦略的投資設計のアドバイスを提供している。
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