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GLOSSARY
不動産用語集
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つなぎ融資

pixta_25405319_M「つなぎ融資」とは、将来の決済まで長い期間がある場合に、「つなぎ」として利用できる借入れのことです。ほとんどの場合は、民間金融機関からの無担保ローンとなります。

通常の事業であれば、一時的に資金繰りがうまくいかずに、さまざまな支払いを切り抜けるための運転資金として借り入れることを、つなぎ融資と呼ぶことが多いです。一方で、不動産におけるつなぎ融資は、ローンが下りるまえに必要な資金を借り入れたり、投資対象を別の不動産に替える場合に、売却が完了するまでに買替え資金を調達したりすることを指します。

住宅の新築で使える

住宅ローンは通常、申し込んですぐに下りることはなく、建物が完成したあとのタイミングで支払われます。ただし、新築住宅の場合は、完成前(住宅ローンが下りるまえ)に、建築に要する代金の一部が、建築会社や不動産業者から請求される問題が生じるのです。

例えば、契約の時点で支払わなければならない「契約金」(手付金や着工金という名目の場合もある)や、上棟時などに支払わなければならない「中間金」などです。もちろん、手元に潤沢な資金があれば問題ありません。ただし、まとまった額となりますので、これらの前払い代金を支払えない場合もあるしょう。そのときに役立つのがつなぎ融資です。契約金や中間金、手付金や着工金などをつなぎ融資で支払っておいて、住宅完成後に下りた住宅ローンを、つなぎ融資の返済にあてるのが一般的です。

不動産の「買い先行」買替えで使える

 tunagiyusi_01.jpg つなぎ融資は不動産の買替え、あるいは住替えをするときにも役立ちます。
不動産の買替えには、まず、今の不動産を売却してから、その資金で新たな不動産を取得する「売り先行」と、ほしい不動産を取得してから今の物件を売却する「買い先行」とがあります。

旧物件から新物件へスムーズに移行できますので、仮住まいなどで必要な費用を抑えられますし、売り先行の買替えのほうが自然な流れといえるかもしれませんが、優れた物件を見つけても、所有している物件を売却して購入資金にあてる必要がある場合、売れるまで待っていると投資のチャンスを失ってしまいます。また、急いで売却しようとすると、数百万円単位の損失を出すことも少なくありません。特に、住居を兼ねている不動産の場合は、余計な仮住まいの費用を削りたいがために、焦って売買することになり、良い結果につながらないリスクもあります。

その点、買い先行の買替えでは、購入すべきタイミングで新たな不動産を調達できるメリットがあります。ただし、手持ちの不動産を売却するまえに、新しい不動産を購入するため、相応の資金力が必要です。
しかし、潤沢な資金力がなければ、さまざまなメリットがある買い先行の買替えはできないのでしょうか。このとき、つなぎ融資があれば、「買い」から「売り」のあいだの資金的なブランクを埋めることが可能です。つなぎ融資を物件の購入費用にあて、所有していた物件が売却できてから融資を返済することで、高値で売却できるチャンスをものにすることができます。つなぎ融資は借入れが短期間で済むため、利息の支払いを抑えることができる点もメリットです。

敷地の購入で自己資金を使い果たした場合

住宅ローンでは、建物の建設費用だけでなく、その敷地となる土地の購入資金も融資してもらうことができます。しかし、ある程度自己資金を持っている場合、住宅ローンの借入金、ひいては利息を少しでも抑えるために、土地の購入に自己資金を多くつぎ込むケースがあります。

しかし、すでに述べたとおり、住宅ローンは建物の完成後にしか実行されません。土地の購入で自己資金を使い果たしてしまった場合には、建物の着工など、完成前に必要な諸費用をまかなうことができなくなります。このようなケースでは、事前に自己資金を用意していても、結局つなぎ融資で対応しなければなりません。

建物完成前の諸費用の支払いを自己資金でまかなうことができれば、住宅ローンの選択肢は広がります。つまり、新たに購入した敷地に建物を建てる場合は、全体を俯瞰して、建物向けに自己資金を多く残しておくことが大切になるのです。

つなぎ融資の注意点

一見すると便利なつなぎ融資ですが、いくつか注意点があります。

・金利が高め
つなぎ融資は通常の住宅ローンと比べて、金利が高めに設定されています。融資額が大きいほど利子も高くなり、その分、返済計画に支障をきたす可能性があることを覚えておきましょう。

・借入先が限定されてしまう
つなぎ融資は、取扱いのある金融機関に申し込むことになりますが、そもそも、つなぎ融資を行っていない金融機関も多いため、選択肢が狭まってしまいます。また、つなぎ融資を扱っている金融機関であっても、住宅が完成しなければ回収できなくなるリスクを含んでいるため、事情によっては、つなぎ融資の実行に二の足を踏む場合があることも事実です。

上記のうち、特に金利が高い点には注意したいところです。ほかにも、つなぎ融資を受けること自体で、手数料(保証料)や諸経費がかかってきますので、借入期間に応じて総返済額に差が出てしまいます。無理のない返済を行うためにも、ある程度の現金(自己資金)は用意しておきたいところです。
中古マンションのように、すでに建物がある場合は「中間金」などは必要ありません。初めて不動産投資をされる方であれば、つなぎ融資を抑えるため、中古物件からスタートするのもひとつの手段だといえるでしょう。

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