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抵当権/根抵当権とは

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pixta_17334580_m「抵当権」とは、「抵当権者(債権者)が、債務者又は第三者が占有を移転しないで債務の担保に供した不動産について、ほかの債権者に先立って自己の債権の弁済を受ける権利(民法第369条第1項)」のことです。担保物権の一種で、当事者の契約によって成立することから「約定担保物権」といいます。

条文を簡潔にすると、「債務者がそのまま住み続けていたり、賃貸されている状態の(担保の)不動産に対して、担保不動産競売や担保不動産収益執行(民法第180条)をして、ほかの債務者より優先して弁済を受けられる権利」ということになります。

例えば、投資用不動産をローンで購入した個人事業主に対して、ローンを実行した金融機関は、債務者が購入したばかりの不動産に抵当権を設定することがあります。抵当権が設定されている状態であっても、債務者は不動産を活用して問題なく家賃収入を得ることができますが、万が一、ローンの返済が滞ってしまうと、金融機関が抵当権を実行します。不動産を競売などにかけて、焦げ付いた債権を回収できるようにするのです。

この場合、融資した金融機関が「抵当権者」となり、融資金を借り入れた債務者が「抵当権設定者」となります。そして、債務不履行が発生した場合、抵当権者である金融機関は「担保となっている不動産の処分」によって、優先的に債権の弁済を受けることができるというわけです。

もっとも、抵当権の設定はローンで不動産を購入する場面に限りません。まとまったお金が必要となったときに、相続などで親から引き継いだ不動産に抵当権を設定することにより、融資を受けることも可能です。

「普通抵当権」と「根抵当権」

一般的な抵当権(普通抵当権)は、不動産投資ローンのように特定の債権を担保するものです。例えば、2,000万円の投資用マンションを購入するにあたって、購入資金の一部として1,000万円を銀行から借り入れる際、対象となるマンションに抵当権を設定するというような場合です。

このように、普通、抵当権は特定の債権を担保するものです。「1月に50万円を借り、2月に元本返済し、3月に改めて100万円借りる」というような細かい融資に対して不動産を担保にしようとすると、頻繁に抵当権の設定・抹消を繰り返さなくてはなりません。

そこで、不特定の債権を担保する「根抵当権」が作られました。根抵当権は、企業が短期間で借入れや返済を繰り返す「短期運転資金」を借り入れる際に、金融機関の債権として用いられます。つまり、継続的且つ頻繁な融資に対しては、担保となる不動産に根抵当権を設定し、「一定の上限額(極度額)までまとめて担保する」ことができるようにしたのです。

実際、民法の条文においても「抵当権は、設定行為で定めるところにより、一定の範囲に属する不特定の債権を極度額の限度において担保するためにも設定することができる(民法第398条の2第1項)」と明示されています。

抵当権と根抵当権との違いは、上記の債権の特定と不特定の違いのほかにも、下記のような点が挙げられます。

・抵当権の移転に際しては、債務者の承諾は不要。これに対し根抵当権では、承諾が必要。
・抵当権の債務者としては連帯債務者が認められるが、根抵当権の債務者は認められない。
・根抵当権は、借入金をすべて返済しても消滅することはない。

債権者相互間では、登記が対抗要件となる

同じ不動産に対して、複数の債権者が抵当権をいくつも設定することが可能です。このような場合、抵当権の設定自体は、債務者との契約で可能ですが、債権者間での優先順位は、不動産登記の「早い者勝ち」で決定します。

例えば、3月1日、A銀行が融資を実行して、同じ日に債務者の所有する不動産に抵当権を設定する契約書を取り交わし、4月1日、B信用金庫が同じ債務者に融資をして、同じ不動産に抵当権を設定したとします。この場合、A銀行の抵当権が優先して第1順位に、B信用金庫は第2順位となります。もし、債務者の返済が滞った場合、不動産を競売して得られた金銭からA銀行が先に回収し、お金が余った場合にB信用金庫が回収できることになります。

しかし、B信用金庫が4月2日、A銀行よりも先に法務局に申請して「抵当権設定登記」を行っていると、B信用金庫の抵当権が第1順位に浮上します。抵当権設定契約(債務者の不動産に抵当権を設定する契約)だけでは、債権者と債務者以外の人々に、抵当権が設定された事実はわかりませんが、抵当権設定登記の情報はデジタルネットワークで管理されていて、全国の法務局で確認できますので、社会全体へ向けて抵当権の存在が公示されている状態になります。法律では、この「公示を先に備えた抵当権者を優先する」ことになっているのです。

なお、上記のB信用金庫が行った不動産登記を「第三者対抗要件」といいます(民法第177条)。根抵当権も同様に、不動産登記によって公示することができます。

抵当権を設定できるのは、土地や建物だけではない

抵当権を設定できるのは、土地や建物などの不動産だけとは限りません。担保付きのローンを組みやすくして、購入や普及を加速させたい動産について、政策的に抵当権設定を認めているといえるでしょう。

<抵当権を設定できる動産・不動産>
・土地(不動産登記で公示)
・建物(不動産登記で公示)
・船舶(登記で公示)
・自動車(登録で公示)
・航空機(登録で公示)
・農業機械(農業動産信用法に基づく登記)
・建設機械(建設機械抵当法に基づく登記)

このほか、民法では、他人の土地を利用する物権である「地上権」や「永小作権」にも、抵当権の設定を認めています(第369条2項)が、実際はほとんど行われていません。

抵当権の及ぶ範囲

 teitouken_konteitouken_01.jpg 前述のとおり、投資用の不動産に金融機関による抵当権が設定されている場合、ローン返済が滞りがちになって債権回収が難しくなったとき、金融機関がその不動産を売却して優先的に弁済を受けることができます。

この場合、不動産の構成部分として一体化され、簡単に取り外しができない物も、抵当権者はいっしょに売却できます。土地であれば、植木や庭石など、建物であればエレベーターや地下駐車場、システムキッチン、壁面のパネルなどが、抵当権の及ぶ範囲です。

では、不動産の一部ではあるものの、取り外しが可能なものについてはどうでしょうか。土地であれば、石灯籠や玉砂利など、建物であれば和室の畳や窓のサッシなどがこれに該当します。

最高裁判所の1969年3月28日判決では、債務者の土地に抵当権を設定した債権者とは別に、抵当権のない一般債権者が、土地にあった石灯籠などを差し押さえた事例について、土地の抵当権は石灯籠にも及ぶので、差し押さえよりも優先すると判断しました。
このケースは、抵当権設定のまえからあった石灯籠でしたが、仮に、抵当権が設定されたあとに持ち込まれた石灯籠でも、抵当権は及ぶものとして考えられています。

また、借地の上に建てられた建物に抵当権を設定した場合は、借地権にも抵当権の効力が及ぶとされています(最高裁判所1965年5月4日判決)。
もし、抵当権を設定した建物が火災などで焼失、毀損してしまったときは、抵当権の効力は火災保険金にも及びます。これを抵当権の「物上代位性」といいます。

ローンを組んで不動産投資をしている方にとって、賃貸物件の賃料にも抵当権の効力が及ぶのか(賃料にも物上代位は及ぶのか)は、大きな関心事かもしれません。
最高裁判所の1989年10月27日判決は、「賃料にも抵当権の効力は及ぶ」という判断をしています。たとえ抵当権が実行されて競売にかけられたあとであっても、未払いの家賃があれば、そこへ抵当権の効力が及びます。抵当権者の金融機関が、競売でローンの残債を回収しきれなかった場合、債務者が持っている未回収の家賃債権を代わりに行使して、賃借人が払う賃料を受け取ることができるのです。
しかし、民法学者からの批判も強い判例ですので、将来的に変更される可能性があることも覚えておいてください。

抵当権の抹消まで済ませて、ようやく完済といえる

ローンを返済し終えたら、抵当権を抹消することが大切です。なお、登記するときは抵当権を設定する金融機関が行いますが、「抵当権抹消登記」は債務者側がアクションを起こす必要があります。完済することで抵当権は効力を失いますから不動産が勝手に競売にかけられることはありませんが、抵当権自体は残ったままになっているのです。

仮に抵当権の抹消手続きを放置した場合でも、すぐに不利益を被ることはありません。ただし、以下のようなシチュエーションにおいては問題が発生する可能性があります。

(1)不動産を売買するとき
抵当権の効力がないとはいえ、不動産の購入を検討している側からは、それが真実かどうかはわかりません。抵当権付きの物件の売買も法律的には問題ありませんが、通常の不動産取引では抵当権を抹消してから物件を引き渡すことが大前提となっています。

(2)新しくローンを組むとき
新たなローンを組む場合、抵当権が残っていることで審査に悪影響を与えることがあります。場合によっては断られてしまうこともあるでしょう。金融機関にネガティブな印象を与えないためにも、抵当権はしっかりと抹消しておく必要があります。

(3)相続するとき
不動産を相続するとき、抵当権が残っていると手続きがややこしくなります。被相続人名義のまま抵当権の抹消登記をすることも可能ですが、必要書類には有効期限が設定されていることもあるため、期限切れのときは取得し直さなければなりません。また、確認や調査を要する場合、個人で申請することはたいへん難しくなります。

通常の抵当権抹消は、それほど難しい手続きではありませんが、法務局の受付時間が平日の8時30分~17時15分ということもあり、時間的に難しい場合もあるでしょう。そのような場合は、専門家である司法書士に委託するのもひとつの手段です。

抵当権付き物件でも任意売却なら売れる

ローンが残っていたとしても、マンションを売却したときの利益で完済できるのであれば、問題なく不動産取引ができます。とはいえ、売却益だけでローンを返済できないこともありえます。この状態を「 オーバーローン 」といいます。

オーバーローンの場合、差額をキャッシュで支払えなければ、抵当権が残ったままになります。抵当権付きの物件は、一般的に金融機関との契約によって自由に売買することはできません。こうなると、従来は競売をするしか道がありませんでしたが、近年は「任意売却」という方法も選べるようになりました。

任意売却とは、専門の不動産コンサルタントが債権者を説得し、抵当権付きの物件を(ローン残額より低い金額でも)売却できるようにすることです。競売では裁判所の介入により、強制的に不動産が売られてしまいます。実際、市場価格の半分以下で売られてしまうことも少なくありません。しかし、任意売却ならば市場価格に近い価格で売却することができます。とはいえ、自己破産のように負債がゼロになるわけではなく、残ったローンには返済義務があります。

不動産投資で重要なのは、「オーバーローンにならないような物件を購入する」ことです。投資家みずから調査をすることも大切ですが、少しでもリスクを抑えるために、 不動産鑑定士などの専門家に意見を仰ぐことも視野に入れておきましょう。

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