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定期借家権とは

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「定期借家権」とは、不動産賃貸借契約の一形態である定期借家契約によって、賃貸借契約の更新がないことを定めることができるという賃貸人(オーナー)の権利です。

また、定期借家契約とは、契約の更新がない契約期間を設けて賃貸借契約を結び、契約期間の終了時点で契約終了が確定する賃貸借契約を指します。

なぜ定期借家権が必要なのか(借家制度の歴史)

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従来の「借地借家法」で定められていたのは、現在でいうところの「普通借家権」のみでした。 家屋の賃貸借契約にあたっては、どうしても貸主の立場が強くなります。特に就学や就職で都会に出てきた(地縁のない)借主は、「大家さんの家をありがたく使わせていただく」立場になりがちでした。入居時に借主から貸主へ支払う「礼金」も、そうした当時の借主の立場が反映された商慣習の名残だといわれています。このような事情もあり、たとえ大家が横暴で理不尽な振る舞いをして、「嫌なら出て行け」と怒鳴ったとしても、借主は我慢するしかありませんでした。住む場所を失うと、路頭に迷ってしまうからです。

そこで、借家における弱い借主の立場を、法律の力で底上げさせることが急務となりました。借地借家法の前身である「借家法」が、1941年(昭和16年)に大きく改正されたのです。それによって大家は、自分の都合で一方的に賃貸借契約を終わらせ、借主に立ち退きを求めることができなくなりました。契約を終わらせるためには、客観的に見て「正当な事由」が必要とされたのです。

また、たとえ正当な事由があったとしても、すぐに契約を終わらせて、立ち退きを求めることは許されず、契約終了の1年前から6ヵ月前に借主へ通知しなければならないとしました。その猶予期間を使って、借主は別の住まいを探せるようになったのです。

客観的な「正当な事由」がなくても借主に出ていってほしい大家は、立退料などを支払い、その立退料を負担した事実をもって、正当な事由に代えることになります。

特に戦時中の空襲などで多くの家が焼けてしまい、住む場所が不足していた時代には、こうした借家法における「借主保護」を目的とした規定は、有効に作用していたといわれています。

平成に入ってから、借家法は借地法と統合されて借地借家法となりますが、正当事由などの借主保護規定は維持されました。

ただし、こうした規定も、大家の立場からすると「一度他人に家を貸してしまうと、こちらの都合で契約を終了させることが難しくなる」ことを意味します。例えば、マイホーム購入後に遠方への転勤を命じられた会社員の家族が、「転勤を終えて戻ってくるまでのあいだ、家を他人に貸す」ことも、ためらわれがちでした。自己所有の建物を他人に貸すこと自体を「リスク」ととらえ、貸し控える傾向があったのです。

空き家や空き部屋が、ずっと空いたまま放置されることは、経済的にも地域の環境にとってもマイナスです。この状況を重く見た政府は、賃貸借契約の締結をより促進させて、全国の空き家をできるだけ有効活用してもらうため、借地借家法に定められた厳格な借主保護規定を、一部ゆるめる政策を実行に移します。

「良質な賃貸住宅等の供給の促進に関する特別措置法」の成立に伴い、従来の普通借家権とは別に、大家の立場にも配慮した定期借家権が創設されたのです。


定期借家権の具体的な内容と投資家のメリット

2000年3月1日から施行された定期借家制度によれば、正当な事由の有無に関係なく、賃貸借契約期間が満了すれば貸借関係は終了します。ただし、賃貸人と賃借人が合意の上、賃貸借の再契約を結ぶことは可能です。

なお、定期借家契約の契約期間には特に定めはなく、1年未満の契約もできます。ただし契約期間が1年以上の場合、賃貸人は賃借人に期間満了の1年前~6ヵ月前までのあいだに契約終了を通知しなくてはなりません。

賃貸人にとっての定期借家契約のメリットとしては、以下のような点が挙げられます。

<人にとっての定期借家契約のメリット>

  • ・一定期間だけ、持ち家や所有マンションを借家にできる
  • ・契約期間が決まっているため、計画的に不動産の運用ができる

また、不動産投資家にとって、定期借家契約で物件を賃貸することのメリットとしては以下の2点が挙げられます。

<産投資家にとっての定期借家契約のメリット>
  • ・一定期間ごとに契約を終了/再契約が繰り返せるので、賃料の見直しなどがしやすい
  • ・契約期間終了前でも、賃借人に契約違反があれば契約を解除できる

賃貸物件の長期運営計画を立てる際、定期借家契約によって、安定的な不動産の運用が期待できるわけです。

定期建物賃貸借の注意点としては、借地借家法第38条に定められているとおり、契約は公正証書などの書面による必要があります。また、契約書とは別に、「この契約は期間満了により更新がなく賃貸借が終了する」という旨の書面を交付し、賃借人に対して説明する義務があります。これらに不備があると一般的な借家契約とみなされる場合がありますので、注意が必要です。

最高裁判所が示した判決では、借主が定期借地権の内容を認識、理解していたとしても、大家が契約書とは別の書面を作成し、交付する手続きを省略していたことを理由に、定期借地契約を無効としました(2012年9月13日判決)。
借主が定期借地契約の内容を実際に理解していたかどうかは、客観的な証拠として残りにくい事情なので、トラブル発生を未然に防止するためには、形式的で画一的な手続きを踏んでおくことが重視されるべきだとの判断です。所有物件に定期借家権を設定して貸し出す際は、「公正証書による契約」や「契約書とは別の書類」を用意することなどを忘れないようにしましょう。


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