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更新料とは

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pixta_3378927_M 「更新料」とは、マンションやアパートなどの賃貸借契約が満了したあと、再契約をする際に借主から貸主 へ支払われる金銭のことです。元々は首都圏及び、近畿や関西の一部地域で見られた風習でしたが、現在は全国的に広がっています。

地域によって更新料の相場は異なりますが、首都圏では2年ごとに賃料の半月~1ヵ月分程度を徴収することが多いようです。一方、京都府では更新ペースが比較的早く、1年ごとに賃料の1~2ヵ月程度を設定している契約も見受けられます。また、大阪府と兵庫県のように更新料は設定せず、「敷引き」と呼ばれる方法で実質的に徴収している地域もありました。更新料を徴収している率と平均額(賃料に対する割合)については、過去に国土交通省が調査した結果が発表されています。

都道府県 更新料が徴収されている率 更新料の平均額(賃料に対する割合)
北海道 28.5% 0.1ヵ月分
宮城県 0.2% 0.5ヵ月分
東京都 65% 1ヵ月分
神奈川県 90.1% 0.8ヵ月分
埼玉県 61.6% 0.5ヵ月分
千葉県 82.9% 1ヵ月分
長野県 34.3% 0.5ヵ月分
富山県 17.8% 0.5ヵ月分
愛知県 40.6% 0.5ヵ月分
京都府 55.1% 1.4ヵ月分
大阪府 0% -
兵庫県 0% -
広島県 19.1% 0.2ヵ月分
愛媛県 13.2% 0.5ヵ月分
福岡県 23.3% 0.5ヵ月分
沖縄県 40.4% 0.5ヵ月分
※国土交通省「民間賃貸住宅に係る実態調査」より(2007年6月)


更新料は法令上、支払いが義務付けられたものではありません。ただし、賃貸借契約に更新料を支払う旨の記述があり、借主がそれにサインをした場合は支払わなければならないとされています。


最高裁判所の判例でも「高額に過ぎるなどの特段の事情がない限り、消費者契約法第10条により無効ということはできない」(2011年7月15日)とされ、原則として有効なものといえます。ただし、このケースについては、地方裁判所や高等裁判所のレベルで判断が少し揺れていますので、予断を許しません。

更新料を巡る裁判、京都で連発されていた無効判決

消費者契約法第10条は、消費者の権利を制限し、または消費者の義務を加重する消費者契約の条項を無効とすると定めています。ここでいう消費者は、賃借人と読み替えることができるでしょう。更新料の定めを盛り込んだ不動産の賃貸借契約が、消費者契約法10条に基づいて、賃借人に不当で不利な条項として無効となるかが問題となります。


前述の最高裁判所判決では、更新料に「賃料の前払い」「更新拒絶権放棄の対価」「賃借権 強化の対価」といった複合的な性質があることが前提とされました。そして、更新料の額が賃料の額と賃貸借契約が更新される期間等に照らして高額過ぎるなどの事情がない限り、消費者契約法10条には触れず、更新料の契約を有効としたのです。


しかし、下級審レベルでは、更新料契約を無効とし、貸主から借主への返還を命じた裁判例も多く見られます(京都地方裁判所2011年1月27日判決、京都地方裁判所2010年12月22日判決、京都地方裁判所2010年9月16日判決など)。
これらは冒頭で述べたとおり、全国標準に比べ、京都地区の賃貸物件には高額の更新料が定められていたことから、きびしい判断が出ているものと考えられます。
全国標準ではおおむね、2年間に家賃1ヵ月分の更新料が定められている一方、京都地区では1年間に家賃2ヵ月分の更新料を求める場合があるからです(ただし、京都地方裁判所2012年1月17日判決など、同じ高額水準の更新料特約を有効にしている裁判例もあります)。


京都地裁で出ている一連の「更新料無効」判例では、「賃料の前払い」「更新拒絶権放棄の対価」「賃借権強化の対価」といった性質は、更新料に認められないとしています。
その理由は、更新料が賃料の一部前払いだとすると、更新後に途中解約した場合に更新料が一切返還されないことと矛盾するからです。また、更新拒絶権放棄や賃借権強化という効果に、対価を支払う根拠も希薄であると指摘されています。

衰えつつある更新料の商慣習

近年は、更新料の値下げをしたり、取らなかったりするオーナーも増えています。あるいは、更新の度に家賃を下げることもあります(いわば、貸主が更新に際して負担する「マイナス更新料」といえるでしょうか)。 礼金や補償金などと同様に、元々法的根拠が希薄な賃貸借契約の慣習のひとつですが、たとえ最高裁判所が更新料制度にお墨付きを与えたとしても、一部の人気物件を除いては、更新料を維持できない状況があります。その理由としては以下の2点が挙げられるでしょう。


(1)空室リスクが高まる
オーナーの頭を悩ませる空室リスク。住人がいなければその分、収入が減ってしまうだけでなく、ローンを組んでいる場合は返済計画が遅れるなど、さまざまな損害が生じます。近年は更新料の支払いを嫌い、更新前に引越しをする借主も少なくありません。前住人の退去後、すぐに部屋が埋まるとは限りませんから、空室が長期化する場合は家賃の値下げなどを検討することになります。


(2)収入としては不安定
更新料を収支計算に入れる投資家がほとんどいないのは、取得条件が不安定なためです。住人が2年間ほど住み続け、さらに契約を更新した場合に初めて得られる収入であるにもかかわらず、リターンは賃料の1~2ヵ月分です。前述した空室リスクに見合う収入とはいえないでしょう。合理的に考えて取らないことを決定する方も多いようです。


仮に更新料を取らなくても、家賃の値上げに踏み切れば損失は発生しません。例えば、賃料が12万円で2年ごとに更新料を1ヵ月分という物件であれば、賃料を5,000円値上げすればいいわけです。しかし、貸主都合による値上げは、物件によほどの魅力がない限り、借主に喜ばれないでしょう。


更新料の支払いについては、以前からオーナーと借主のあいだでトラブルの元となっていました。法的に必要なものではないと認知され始めたことによって、住人から「更新料を免除してほしい」と交渉されるケースも増えているようです。更新料をカットすると臨時収入は減りますが、長期的に見ると得になるケースもあります。借主が更新前に退去してしまうケースが多いようであれば、更新料をなしにすることを検討することもひとつの選択肢ではないでしょうか。

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