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GLOSSARY
不動産用語集
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譲渡所得

pixta_3256246_M 「譲渡所得」とは、所得税 を課税する対象となる所得のうち、資産を譲渡したときに発生する所得のことです。この場合の「譲渡」とは、有償無償にかかわらず財産の権利を移譲させる一切の行為を指すため、売買はもちろん、交換や競売、公売、財産分与、現物出資なども含まれます。

さらに、夫婦の離婚の際、財産分与の対象となった資産の中に、不動産などが含まれていた場合も譲渡にあたり、夫婦のうち分与した側については課税対象となります。財産分与の場合は、金銭のやり取りがないわけですが、分与した時点での不動産の時価を課税対象の所得として扱います。

譲渡所得の課税対象となる資産

土地や建物のほか、不動産に絡む権利である「借地権」や「取引慣行のある借家権」も、他者に譲渡して所得を得た場合は課税対象となります。また、不動産に準ずる資産規模になりやすい「船舶」「機械器具」「漁業権」「株式・公社債」のほか、「宝石」「金地金」「書画・骨董品」などの動産(1点、あるいは1セット30万円を超えるもの)も、譲渡所得の課税対象となりえます。


なお、土地や建物でも「負債を抱えて競売にかけられた」場合の譲渡は、課税対象になりません。
ほかにも、課税された相続税の物納として、遺産の土地や建物を税務署に譲渡した場合、国や都道府県・市町村に所有する土地や建物を寄附した場合、あるいは重要文化財として譲渡した場合のほか、国税庁長官の許可を得て公益目的法人に寄附した場合は課税対象になりません。また、土地や建物と密接な関係がある家具や、什器の譲渡も課税対象にはなりません。

譲渡所得の算定

税金は、譲渡所得額にそのままかかるわけではありません。課税対象の金額は、以下の計算式によって導くことができます。

課税される譲渡所得額の計算式
譲渡したことによる収入金額-(取得費+譲渡費用)-特別控除額=課税される譲渡所得額

(1)譲渡したことによる収入金額
資産を売却したことによって買主から受け取った金額です。品物や権利など、金銭以外のものを受け取った場合、その品物や権利などの時価が収入金額となります。

(2)取得費
譲渡した土地や建物の建築代金、購入代金、手数料、設備費、改良費などの金額です。建物の場合、建築代金や購入代金の合計から減価償却費相当額を引いた額となります。

(3)譲渡費用
土地や建物を売るために生じた費用です。仲介手数料、印紙税、借家人に支払う立ち退き料、取り壊し費用、違約金、名義書換料など、売主が負担したものを譲渡費用といいます。

(4)特別控除額
一定の条件を満たした場合に受けられる控除です。金額は条件によって異なります。

  • ・収用等により土地や建物を譲渡した場合…5,000万円
  • ・住宅用の家屋及びその家屋や敷地を譲渡した場合…3,000万円
  • ・特定土地区画整理事業などのために譲渡した場合…2,000万円
  • ・特定住宅地造成事業などのために譲渡した場合…1,500万円
  • ・2009年1月1日から2010年12月31日のあいだに取得した土地を譲渡した場合…1,000万円
  • ・農地保有の合理化などのために農地等を譲渡した場合…800万円
不動産投資で気を付けたいのは、土地や建物の所有期間によって課せられる税が変わる点です。


短期譲渡所得
保有期間が5年以下の場合は「短期譲渡所得」となります。税率は39.63%(所得税30%、復興特別所得税0.63%、住民税9%)です。


長期譲渡所得
保有期間が5年を超える場合は「長期譲渡所得」となります。税率は20.315%(所得税15%、復興特別所得税0.315%、住民税5%)になります。

このように、5年以上所有するだけで約20%も所得税率が変わります(復興特別所得税とは、基準所得税額の2.1%を所得税と合わせて申告・納付する制度で、2037年まで実施予定)。将来の相続税を見越した税金対策として不動産投資を行う場合は、なるべく早めに行動するのがポイントです。

譲渡所得は、いつ申告するのか

譲渡所得は、確定申告 によって税務署に申告しなければなりません。その期限は、資産を譲渡した日が属する年の翌年2月16日~3月15日の、約1ヵ月間になります(3月15日が土日と重なった場合は翌月曜日まで)。その期限を過ぎると、所得税の利息に相当する延滞税が課されることがあります。


では「資産を譲渡した日」は、いつになるのでしょうか。これは原則として、売買契約など、譲渡の基礎となる契約に基づいて「資産を買主に引き渡した日」を指します。不動産の場合は、法務省に届け出て「所有権移転登記が行われた日付」と考えていいでしょう。
しかし、年末に譲渡した場合、確定申告までの期日が短いことから大きな負担に感じる人もいます。逆に、早く納税を済ませたいと考える人もいるでしょう。そこで、確定申告を行う年を「資産を譲渡した日が属する年の翌年」のほか、「契約の効力発生日が属する年の翌年」と扱う選択も可能になっています。ここでいう契約の効力発生日とは、「契約を取り交わした日」とするのが一般的です。


なお、譲渡所得の申告時期については、例外がふたつ存在します。

・資産の譲渡者がまもなく日本を出国する場合
資産の譲渡者がまもなく日本を出国する場合は原則の適用はなく、日本出国前に確定申告を済ませなければなりません。

・資産の譲渡者が死亡した場合
資産の譲渡者が死亡した場合も原則の適用はなく、譲渡者の相続人 が、相続が開始したこと(=譲渡者が死亡したこと)を知った日の翌日から4ヵ月以内に、亡くなった譲渡者を代行する形で確定申告を行わなければなりません。相続税の申告とは別になりますから注意が必要です。

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