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不動産用語集
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EGI(実効総収入/Effective Gross Income)

pixta_14267048_M 「EGI」とは、「Effective Gross Income」の略語で、日本語では「実効総収入」と訳されています。
このEGIに関連する数値として「GPI(Gross Potential Income:総潜在収入)」もあります。EGIを知るには、まずGPIについて把握しておく必要があります。

GPIとは、空室や滞納による損失がまったくないと仮定した場合における「年間賃料収入総額(満室時賃料)」のことで、物件から得られる年間の最大収入額を意味します。 GPIは、「これだけの賃料がほしい」という期待値ではなく、対象の物件に入居者が限界まで入って滞納もない場合を仮定した「賃料の最大額=満室時の総収入」です。

そして、GPIから、実際に空室が出たことによる損失額(空室損失)、及び入居者はいるけれども滞納があることによる損失額(未回収損失)を差し引いた収入総額のことを、EGIといいます。

具体的には、満室時の賃料の総収入であるGPIから、「空室による損失」「賃料滞納の損失」などを控除し、「駐車場」や「自動販売機」「コインランドリー」「看板広告」などの雑収入を加算して得られる総収入のことです。

・EGIを求める計算式
EGI=GPI-(空室損失+未回収損失)+雑収入

もっとも、投資物件がずっと満室で推移していれば、EGIはGPI以上となるわけですが、そのようなことはまず起きません。ほぼすべての物件で、EGIはGPIを下回るものと理解しておいてください。また、本来の相場よりも賃料を高めに設定していると、GPIの数値は大きくできますが、高い賃料設定によって空室が増えれば、EGIは小さくなってしまいます。逆に、相場よりも賃料を下げて空室を減らすとGPIは減ってしまいますが、EGIについては拡大する可能性が高くなります。

EGIの算出基準となる「空室損失」と「未回収損失」

「空室・賃料の滞納の損失」は、総務省統計局の「住宅・土地統計調査」による空室率 を参考にしながら、その物件周辺の傾向を推定します。ただ、公表されている空室率はあくまで「調査時点」の数字であり、今現在、そして今後のリスクを示すものではありません。また、多数の住宅の平均値である以上、投資を考えている物件のEGI算出に盛り込んでも、実用性はそれほど高くないでしょう。


特に賃貸物件の場合、入居者は絶えず出入りし、入れ替わっていますから、投資は「時点」ではなく、幅を持たせた「期間」で考えるべきです。ある時点の空室率を「時点空室率」、年間などの期間でとらえる空室率を「稼働空室率」といいますが、不動産投資においては後者によりリアリティがあるのです。

また、物件にはそれぞれの個性や事情がつきものですが、平均値ではその個性が希釈化されてしまいますので、統計データは実態と懸け離れているおそれがあります。


「満室にできる賃料が前提なら空室の損失は考慮しなくても良い」という考え方もありますが、満室にできるかどうかはあくまでも予測であり、満室にするために賃料が変動(割り引くなど)する可能性もありますので、実際の空室率を考慮して損失を見込みます。


なお、「サブリース(一括借上げ)」 など、家賃保証 のサービスを用いることで空室損失は大幅に抑えることができますが、サブリースにかかる費用は別に必要となります。


また、家賃の滞納に関する損失は、日本賃貸住宅管理協会が公表している「賃貸住宅市場景況感調査」などを参考にします。これらの数値を堅く見ても甘めに見ても、その投資賃貸不動産物件の価値を見誤ることになりますので、適正な数値を推測しなければなりませんが、投資スタンスに応じて判断する必要があるでしょう。

EGIを算出するときに注意すべきこと

実際の賃貸物件の運営において、空室損失と賃料未回収損失のふたつが相当な割合を占めます。しかし、ほかにも周辺の不動産相場が下がったことに伴う「賃料値下げによる損失」もありますし、入居者を増やそうとしてフリーレント 期間を設定すれば、その期間は入居があっても賃料が入らない「フリーレント損失」となります。


こうした例外的な損失も忘れずに算入することで、所有する(あるいは投資を検討している)物件の収益状況について、より実態を反映させたEGIを導き出すことができます。


また、近年になってEGIから税金・保険料・修繕費などの管理運営費を控除した「NOI(Net Operating Income:償却前営業利益) 」という指標に注目するプロ投資家が増えています。これは、空室・運営コストの高まりによって、GPIとEGIだけでは本当の収益性を判断するのが困難になっているためです。不動産投資において収益の確実性を上げる場合には、現実の運用に即したNOIを用いて適正な価格を知ることが求められます。

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