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不動産用語集
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ーススタディ14 経験豊富な不動産投資家のリスク経営を戦略転換により健全化

課題

当社はN様の賃貸マンション経営における現状を把握するため、所有するマンション7棟すべての物件資料と借入金返済計画等の経営資料を見せていただきました。


すると、大半が高利回り物件でP/L(収益計算書)から見た経営面ではほとんど問題がなく、キャッシュフローも安定していました。ところが、大半の物件の土地が狭いため積算評価額が低くB/S(貸借対照表)から見た経営面では惨憺たる状態でした。


具体的にはトータルで約3億円の借り入れに対しトータルの積算評価額は約1億円。差し引き約2億円の債務超過に陥っていました。


つまり、キャッシュフローだけを見ると優良な賃貸経営ですが、ちょっとした市況の変化ですぐにも経営が破綻する可能性の高い状態だったのです。


面談

再度来社いただいたN様に当社は、P/LとB/Sのバランスを早急に立て直さなければ経営は危ういという事実を率直にご説明しました。


今の状況は総合商社の管理職だという優良な属性を評価され、債務超過気味でも融資を受けられているということ。また将来的に賃貸経営者に転身するのであればB/S面の改善が急務であること。さらに積算評価額の高い物件を取得しないとB/S面の改善は難しいことなどをご説明しました。


するとN様は経営管理のエキスパートとしてご自身の経営の欠陥をすぐに理解され、当社に積算評価額の高い物件取得を依頼されました。


そうしてN様は当社と「不動産調査及び売買契約」を締結され、当社は土地値物件の選定を開始しました。

提案

それから2週間、当社は城西エリアで次のような土地値物件を発掘しました。


●物件概要
建物    鉄骨造地上3階建て賃貸マンション 
表面利回り 8.5%
販売価格  1億2000万円
路線価評価額1億円、実勢土地評価額1憶3000万円


この物件を取得候補としてご紹介したところ、N様は非常に気に入られ、売主の言い値でよいので直ちに物件を取得してほしいとのご返事でした。

しかし当社は、N様の今後の賃貸経営を考えると、現在約3億円に達している銀行借入金を少しでも圧縮する必要があると判断。N様に値下げ交渉をさせてほしいと提案し、了承を得ました。

売主と銀行との交渉

まず売主との交渉に臨むにあたり、当社は銀行へ融資には何の問題もないことを先に確認しました。次に近隣の家賃相場や物件価格相場を調べ、当該物件の売値が相場より割高である事実を把握しました。


こうした客観的な資料を売主に提示するとともに、銀行借り入れの内諾を得ているので物件購入金はどこよりも速く支払えることも伝えて値下げ交渉をした結果、1億2000万円の言い値を1億800万円にまで値下げすることに成功しました。


次に銀行との交渉では残債減少スピードの加速を目的に、借入金返済期間短縮と金利の条件交渉を行いました。

銀行側は当初、借入期間25年、金利2.0%を提示し、この条件に固執していました。これに対して当社は、ローンパッケージを逆に提示して粘り強く交渉した結果、借入期間20年、金利1.5%の好条件を獲得できました。

その結果、当該物件に関しては担保余力を生み出すことにも成功しました。


今回の投資内容

●取得価格1億800万円
●自己資金750万円
●銀行借り入れ1億50万円(ローン条件:金利3.3% 借入期間 30年)

●シミュレーション結果
GPI(総潜在家賃収入) …………………… 1020万円
EGI(実収入) ……………………………… 969万円
OPEX(物件運用経費) …………………… ▲145万3500円
NOI(純利益) ……………………………… 823万6500円
ADS(元利返済額) ………………………… 625万3788円
BTCF(税引き前キャッシュフロー) …… 198万2711円


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現状

ほぼ期待通りのキャッシュフローを確保できた上、残債減少スビートが速いので担保余力が急速に拡大しています。結果的にN様の現有物件の中で最もBS面が健全な投資となりました。


なお、N様は現在、当社から2棟目の土地値物件の取得を検討中で、当社の提案に従い今後も順次資産の組み換えを行い、50歳の早期自主退職前にポートフォリオの改善を達成する計画です。当社も万全の態勢で、N様の賃貸経営者転身をご支援していく所存です。


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